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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
エピローグ 〜Stairway to Eternal〜
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言うとプッチはDIOの背後に廻り、椅子の背もたれに両腕を絡めた。
「フッ、そろそろ呼ぼうと想っていた処だ。
空条 承太郎とその片割れ、
私の想像を超えて 「成長」 している為、面白いコトになりそうなのでな」
「フム、君と私の 『スタンド』 には及ぶべくもないが、
だが “アノ二人” 確かに使えるかもな。
私と君が目指す 『天国』 の “実験体” として」
 そう言うと知友である両者は、互いにしか解らない微笑を(つぶさ) に交わす。
「これから先の戦い、途中で死ぬならソレもよし。
“だがもし生き延びたのなら” ……フ、フフフ……」
「私達の最終目的の “鍵” は、己が 『宿敵』 か……
コレも 『運命』 そして “引力” だというのならば……実に興味深い。
いいだろう、完璧を期すため、是非この私も協力しよう」
 プッチはそう言って、DIOの眼前に翳した手を半円状に振る。
 次の瞬間には、その指の隙間に輝く無数の “DISC” が出現している。
「!」
「!」
 最強クラスのスタンド使いの眼にも、いつソレが現れたか解らないほどの行使力。
 その能力の名が、プッチの口から静かに告げられる。
「我がスタンド。この 『ホワイト・スネイク』 でな……」
 そう言って微笑む男の顔は、煌めくシャンデリアの下、
この世の何よりも神聖で何よりも邪悪に映った。









【2】

 間断なく響き渡る潮騒と吹き抜ける海風。
 緩やかな陽光が波間で煌めき、
たくさんの若葉を茂らせる街路樹を青々と映えさせる。
 そんないつもと変わらぬ異国の風景の中、
無言で真正面から向かい合う男女の姿が在った。
「どうしても、行くの?」
「はい」
 胸元の開いたタイトスーツの美女がバレルコートのような学生服の青年に問い、
彼も静かに答える。
 此処は、この二人が初めて出逢った場所。
 波音が残響(エコー)と成って棚引き、
一迅の風が結っていない栗色の髪と長い学生服の裾を揺らした。
「昨日お話した通り、ボクは “ある男” を(たお)さなければなりません。
その男は万物を支配するべくして生まれ、
この世のスベテを滅ぼす為に深海の淵から甦った“邪悪の化身” なのです。
同じスタンド能力を持つ者として、
その男の野望を阻止するコトがボクの 「義務」 であり
乗り越えなければならない 『宿命』 なのです」
「……」
 穏やかではあるが、確乎たる決意と尋常成らざる覚悟をその裡に秘めた言葉。
 一見少女のように儚く視えるこの少年の一体どこに、
このような熱く烈しい感情が眠っているのか?
 もっと知りたいと想った。
 昨日の夜、自棄酒でまた酔い潰れた自分を優しく介抱してくれた彼の心を。

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