暁 〜小説投稿サイト〜
STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
エピローグ 〜Stairway to Eternal〜
[11/12]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
学生服の裾と少女の髪が烈しく靡いた。
「もっと! もっと速くッ!」
 まるで子供のようにシャナは、無邪気な声でハンドルを握る承太郎を急かす。
「怖くねーか?」
「全ッ然! だからもっと!」
 躊躇無くそう言い放ったシャナに承太郎は微笑を浮かべ、
アクセルを握る手に力を込める。
 ギアがトップに入れ換わりエンジン音が一際高いモノに変化した。
 しかしソレは二人以外の誰にも視えず、聴こえず、認識されない。
 急速に目の前へ迫る大カーヴを抉じるような慣性ドリフトでシャープに曲がり、
その先を抜け車体はハイウェイへ向けて突っ走る。
 迫り上がった視界の先に、青空と海原が大きく開けた。
「たったの2日だったけど、色々あったね」
 革のベルトが交叉して巻き付いた腰に手を回したシャナが、頬を背中に当てそう呟く。
「あぁ」
 出国以来の様々な出来事を想い起こしながら、承太郎も感慨を含めてそう返す。
「でも、忘れないよ。私。
この国で在ったコト……
辛いコトや哀しいコトも在ったけど、
それでも、全部覚えていたいって想うもの」
「……」
 今度は無言で応じる承太郎。
 しかしその胸の裡は、感じている心象は、
確かに同じなんだとシャナには想えた。
「これから先、どうなるのかな? 私達」
 疾風の加速度の中、誰に言うでもなく問いかけた少女の言葉。
 それは無論、これから一層苛烈さを極める戦いの事。
 そして、ソレ以外の事も。
「先のコトなんざ、誰にも解らねぇさ。
どんなスタンド使いでも、フレイムヘイズでも、
スベテを見通すなんてのは不可能だ」
 風を切りながら、青年はいつもの口調で素っ気なく答える。
「……ただ、一つだけはっきりしてるのは」
「え?」
 そこで承太郎はこちらに振り向き、勇壮な微笑と共に告げた。
「何が在っても、大丈夫ってコトさ。
オレとおまえが、このまま歩いていけばな」
「ウン!」
 その()に映る、満面の笑顔。
 ただそれだけで、自分のしてきた事は 『正しかった』 と言い切れる。
 世界を守る、人類を救う、そんな大それたモノの為に、自分が戦っているとは想わない。
 しかし、この少女の笑顔こそが “平和” だというのならば、
例えどんな事をしてでもオレは護る。
 それが誰も知らない “影の歴史” だったとしても。
 何ものにも怯むことなく、戦い続けていこう。
 これからもずっと。




“コイツ” と一緒に。




 新たな決意に笑顔を浮かべ、二人は翔け抜けていく。
 どこまでも続く道を、ただ真っ直ぐに。
 決して消えない 『永遠の真実』 を手にする、その日に向かって。




 光を求め、歩み続ける、悠久の戦士達。
 その彼等の想
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ