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豹頭王異伝
新風
宣戦布告
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星へ追放された廃帝。
 パロに襲来する赤い激流を払う力を秘めた北の王、中原の守護者が笑い出した。


 主従は内容の濃い協議を終えると、閉じた空間を経由して暫定的な拠点マルガに帰還。
 リンダを魔道師の塔に護らせる為、サラミスへの移動を納得させ解放軍の指揮官を召集。
 聖騎士侯ルナン、ダルカス、ワリス、サラミス公爵ボース、カレニア伯ローリウス。
 市民義勇軍代表カラヴィアのラン、リギアを含め数人の聖騎士伯も一室に集結。
 病は快癒したと称するが衰えた筋肉、体力は一朝一夕に回復せず自力歩行は未だ不可能。
 キタイ青星党を率いる未来の大君、リー・レン・レン同様に車椅子の指導者が喋り出す。

「時間が惜しいので、単刀直入に言うがね。
 乱暴者のゴーラ王は我が聖王レムス1世と同様、キタイ魔道師の催眠術に操られている。
 先刻ケイロニア王グインと会談の際、了解に達した。
 数ザン後ゴーラ軍と戦端を開き、イシュトヴァーンを捕らえる。
 パロの魔道師達が催眠術を解き、私が直接ゴーラ王を操縦する方向で準備を整えている。
 ゴーラ軍の最高指導者を黒幕である私が操り、クリスタルに攻め込む計画だ」

「いけません、ナリス様!
 御身体が全快された後になされませ、今は我々に御任せ下さい!!」
 案の定、老いて尚も意気盛んな頑固一徹の古強者。
 アルシス王家の忘れ形見、ナリスの養親を自負する聖騎士候ルナンが激昂。

 一旦は離脱し2度と戻らぬ覚悟を決めたが、《歌》に促され帰参した1人娘。
 聖騎士伯爵リギアは困惑、何とか父を制止しようと試みるが。
 暴走する父に手を焼く娘、一同が苦笑して見守る状況は想定内の事態。
 神聖パロ国王の座を返上、奇蹟の復活を遂げた愛国者は光り輝く笑顔が振り撒く。

「気持ちは有難いのだが、そうも言っておれぬのだよ。
 今の私は運動神経が回復しておらず、聖騎士として戦う事は出来ないがね。
 魔道大公アルド・ナリスの名に懸けて、一介の初級魔道師として戦う事は出来る。
 とは言っても何の護衛も無く、ゴーラ軍の中に単身で乗り込む心算は毛頭無いよ。

 魔道師軍団から選り秀りの精鋭、実戦部隊を同行させるから何も心配は要らない。
 キタイの催眠術に誑かされた集団、ゴーラ軍は魔道で完璧に掌握する必要がある。
 世界最強ケイロニア軍を敵に廻し、無謀な戦いを挑む盗賊上がりの無法者だよ。
 ゴーラ王は些か知恵が足りない、私が監督しなくては何を仕出かすかわからない。

 ケイロニア王グインの加勢に対する返答でもあり必要上、已むを得ぬ措置だ。
 クリスタル解放の為には、1人でも多くの魔道師が必要とされる。
 相手は邪悪な黒魔道師を率いる総元締め、キタイの強力な魔術を駆使する竜王だ。
 パロ魔道師団の
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