機動戦艦ナデシコ
1454話
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いれば意味はない。
その辺はどうしても完璧という訳にはいかず、一長一短な訳だ。
「素晴らしいです。これがあれば、草壁に逆撃を仕掛けるも可能なのではありませんか?」
「どうだろうな。だといいけど……まぁ、こっちは言われた仕事はきちんとしたんだから、後はそっちの使い方次第だよ」
もういいだろ? と視線をこっちに向けてくる長谷川。
元々人と付き合うのが苦手な長谷川だ。初対面の白鳥と会話を交わすのはプレッシャーだったのだろう。……まぁ、その割りにはというか、だからこそと言うべきか、内弁慶なところがあるんだが。
その辺を考えると、白鳥の説明に結構頑張ったよな。猫も被ってないし。
いや、仕事だからと我慢したのか?
「ま、とにかくそういう訳だ。これを使えば、暫くは草壁達からハッキングを受けたりする事はないと思う。時間を掛ければ、いずれは対処されるかもしれないが、それよりも前に賊軍の討伐は終わらせる予定だしな」
「そう、ですね。そうして貰えるとこちらとしても助かります」
そう告げる白鳥の表情に、一瞬だけ悲哀の色を見た気がする。
草壁というのは白鳥にとっても信頼出来る上司だっただけに、どうしても完全に割り切る事は出来ないのだろう。
まぁ、それは分かっていた事だ。
だが同時に、そう感じていながらでも動く事が出来るのだけの精神力を白鳥が持っているのも事実。
だからこそ、白鳥が現在の実質的な木連の代表という扱いになっているのだから。
そんな風に考えていると、不意に部屋の通信装置に通信が入る。
この場にいる全員の視線を受けながら、俺が通信装置へと向かう。
……仮にもシャドウミラーの代表である俺が、何故わざわざ通信装置に出るのか? と言われる事もあるが、この辺はもう癖になっていると言ってもいい。
誰かがやってくれるのを待つより、俺自身が動いた方が早く終わるのだから。
通信装置を起動させると、そこに映し出されたのは当然のように量産型W。……まぁ、シャドウミラーの中で最も多い奴だし、この辺は当然か。
「何があった?」
『地球にて賊軍が大規模に活動を開始したとの事です』
「何だって!?」
量産型Wの通信を聞いて真っ先に声を上げたのは、俺……ではなく、今までのやり取りを何も言わずに見守っていたアカツキだった。
その側では、エリナもまた同様に驚きの声を上げている。
それも当然だろう。アカツキとエリナがこの火星にいるという事は、即ち地球で動きを見せた相手に遅れを取るという事になるのだから。
勿論地球にはナデシコがおり、その艦長のユリカや状況判断能力の高いプロスペクターがいる。
また、討伐軍のトップにはミスマルだっているのを考えれば、簡単に討伐軍がどうにかなるとは思えない。
しか
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