177部分:第二十四話 剣の魔神その二
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第二十四話 剣の魔神その二
「今のはな。シュラが消したのだ」
「左様ですか」
「シュラ様が」
「やはりこの程度は効かぬか」
ジークは己の技が何事もなかったかのように消されてしまったのを見ていた。しかしだからといってそれで落ち着きを失う様子もなかった。
「貴様にはな」
「今の技は居合いだな」
シュラはジークに対して言葉を返した。
「居合いで技を放ったな。そうだな」
「見えていたのか」
「見えていたとわからなかったとは思えぬが」
またジークに対して言葉を返した。
「貴様程の腕があれば」
「確かにな」
ジークもまたその通りだと返すのだった。
「貴様に見えていないとは全く思っていなかった」
「やはり。そうか」
「見えていた!?今のが」
「居合いだというのか」
「そうだ、居合いだ」
サガはいぶかしむ他の聖闘士達に対してまた話した。
「今ジークは光速で横薙ぎに剣を放ったのだ」
「横薙ぎにですか」
「それにより鎌ィ足を作りシュラに向けて放った」
技の説明を進めていく。
「それがあの技の正体だ。居合いで鎌ィ足を作ったのだ」
「そうだったのですか」
「それがあの技の正体なのですか」
「その通りだ」
また彼等に対して答えた。
「あれこそがな」
「光速の居合いだと」
「それで鎌ィ足を起こすとは」
「それは大したことではない」
しかしサガはそれを完全に軽く見ていた。
「あの男にとっては造作もないことだ」
「ですがサガ様」
ブラウが怪訝な声でサガに問うてきた。
「あの鎌ィ足は只の鎌ィ足ではありません」
「光速だったな」
サガは彼に対してこう言葉を返した。
「あれは光の鎌ィ足だ」
「それが。大したことはないと」
「八大公だ」
一言だがそこにはえも言われぬ絶対の説得力があった。
「八大公だ。それならばだ」
「光速の鎌ィ足も当然だと」
「そう仰るのですか」
「その通りだ。何でもないことだ」
彼はまた言った。
「あの男の実力を以ってすればな」
「シュラ様はそれ程までの男と」
「闘っておられるというのか」
ここで彼等は危惧を覚えたのだった。そのような男が相手ではシュラとて危ういのではないかと。しかしサガはここでこうも言うのだった。
「だが。案ずることはない」
「案ずることはないと」
「そうだ。シュラもまた黄金聖闘士」
先程の八大公と対比させるような言葉であった。
「これだけでわかるな」
「我等の頂点に立たれる方」
「まさしく聖域の象徴」
聖域を護る絶対の存在でありその象徴ともなっているのが黄金聖闘士達なのだ。その強大な小宇宙を知らぬ者は誰もいない。少なくとも聖域においては。
「そのシュラが敗れる筈がない」
サガは確信していた。
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