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逆襲のアムロ
36話 暴走 3.10
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度に各艦混乱しております。我が軍は大軍故の行動、連携の遅さが裏目に出てしまい、抵抗するにも遊軍が多すぎます。」

「奴らの部隊はそうは多くない。奴らは死ぬ気か・・・」

ジャミトフには自殺願望はない。しかし突撃を掛けてきたネオジオンの別動隊は特攻だった。こう覚悟を決めた敵は存外しぶとい。ジャミトフはバスクにネオジオンの別動隊包囲殲滅の指示を迅速に完結させるよう告げた。

* ネオジオン別動隊 

全モビルスーツが出撃し終えていた。連邦地球軌道艦隊本隊横腹を突くような突撃により戦場は敵味方問わず狂乱の極みにあった。ランバ・ラルはクルーは四方八方光の渦に居るような感覚だった。

ラルは操縦桿を握り、沈みゆく友軍の艦を見届けては次は自分かと思いふけっていた。

「ふむ、已む無し。敵旗艦までの距離は?」

既にこの艦にはランバ・ラルとハモンの2人だけだった。他の信頼おけるクルーは別の艦で操舵していた。その他のクルーは突撃時に全て脱出艇で退避させていた。

「あと時間で10分もないわ。モビルスーツ隊が往く道を案内してもらえているわ」

「そうか・・・。彼らにも生きてもらわねばならん。旗艦撃沈後本艦は彼らの脱出の為の殿を務める」

ハモンは夫の覚悟にクスッと笑った。ラルは嫌な顔をした。

「何が可笑しい?」

「いえ。嬉しいのですよ。貴方があのジオン独立戦争時に不本意ながら戦っていた姿からみたら晴れ晴れしさが満足そうで・・・」

ラルは高らかに笑った。

「そうだな。信念を貫ける立場でこうして戦場で逝けるのだ。武人としては誉れだ」

すると、モニターにクランプの姿が映った。ラルは定時連絡と思い答えた。

「どうだ状況は?」

クランプは余裕をある笑みで答えた。

「司令。この奇襲は絶好ですよ。友軍にしても優に数十艦生き残ってます。最も敵さんの残数は優に数百はありますが」

「統率が取れきれず遊軍と化しているんだな」

ラルはクランプの言いたいことを看破した。戦闘状況も把握はしているので敵の後手後手対応にラルも嘲笑を禁じえなかった。

「おっしゃるとおりです。良い知らせに先発のハマーン、ガトーらの部隊が敵の包囲網形成を遅延させております」

ラルは頷いた。

「よし。このまま敵旗艦ドゴス・ギアを・・・」

モニターに捕捉した。肉眼でもだ。しかしながら目視できた距離と索敵モニターとの距離差が合わない、そうラルは感じたがその誤算が正しかった。

ラルの乗艦に映るクランプも目視できていた。そのドゴス・ギアの巨大さに驚いた。

「なん・・・なんなんだ。ドロスなんか比じゃないぞ・・・」

ラルは表情を変え、深呼吸をした。

「さていくつの艦がアレに突っ込めば沈むのか・・・
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