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逆襲のアムロ
36話 暴走 3.10
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網による何百隻という艦艇が追撃していた。
ドゴス・ギアも含めて最後の集中砲火を浴びせた。その時信じられない現象が起きた。原因はラルの傍を漂う戦闘不能なキュベレイからだった。

ハマーンはどこにいるか不明瞭な感覚に襲われていた。ただ周囲の思念を媒介に武人の境地とも呼べる「無我」にいた。

「・・・何故、争っては・・・こんなに人が散る必要があるのか・・・」

ハマーンは信念というものを勿論持っていたがそれが戦いを誘う原因になっていると悟った。
争う必要がなくなるには共存する想いを皆知らなければならない。皆と繋がらなければならないとそんな考えが頭に流れ込んでくる。その過程でこの空域にある残留思念や生きる者の力などキュベレイは吸い上げては残り9隻の艦隊とハマーン、ガトーの部隊の残存者らを青白いオーラで包み込み、外からの砲撃を無効化していた。

その現象にジャミトフとバスクは腰を抜かしていた。

「あ・・・有り得ん・・・」

ジャミトフはそう呟くと席から崩れ落ちそうだった。そしてその光は真っすぐドゴス・ギアを侵食していく。その光の暖かさにジャミトフとバスクは息を飲んだ。

意識が2人に流れ込んでくる。そしてそれを理解しまいと抵抗していた。その我慢もそう長くは続かなかった。次の瞬間一瞬にしてブリッジが消し飛んだ。

その爆発は青白いオーラを切り裂かれた後に起きた出来事だった。
周囲の戦闘は既に現象に見とれたことにより砲撃は鳴りやんでいた。
ハマーンはドゴス・ギアのブリッジの消失に呆然としていた。

「え?」

ハマーンは望遠モニターでその原因となる彗星のような光が地球へ落下していく様を目撃した。
その彗星には明らかな意思を感じた。「(ことわり)に触れてはなりません」と。

* サイコアプサラス戦闘空域

視界不良が極まり、センサーは全て死んでいた。
理由はラー・アイムが引き連れてきた砂嵐にあった。
サイコアプサラスのエルランも索敵モニターと目視でも周囲が何も確認できなかった。

「何が起きているというのだ」

それは突然であった。
上空からのアムロ達の攻撃を捌いていた時に起きた。
油断はしてはいなかった。空域に近付いてくる戦艦が1隻とその後方よりモビルスーツが1機の反応。
何も心配はなかった。

空域に風が吹いてきた。良くある話だ。それがあっという間に強風となり、まるで台風にあったような天候へと変化した。エルランはサイコフィールドを展開し、防護に備えた。というよりもそれしかできなかった。戦闘にもならない状況だった。

「とりあえず収まるまで待機するしかないな」

そう踏んでエルランはシートにもたれかかると、前座席のアイナがボソッと呟く。

「シ・・・ロ・・・・」

エルラン
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