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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
朔月
序章
第四九話 復活の剣鬼
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一瞬で構えなおした瑞鶴が左から右へと唐竹割と切り上の連撃を繰り出す。

 一瞬の連撃、文字通り瞬く間に4体の要撃級が撃破された。


『ふむ、悪くはないな。』

 刃を振りBETAの体液を刀身から振り落とす瑞鶴―――極めて人間臭い動作だった。


『みなさんご無事ですか!!』

 突撃砲を連射しながら通信を繋ぐ清十郎、其の目前では蒼い瑞鶴が次々と、剣術を披露していく中で的確な援護射撃で彼に集まる敵の数を減らす紅の瑞鶴。

 其の紅の戦術機を駆る少年は彼らにとってなじみ深い存在だった。

『せ、せいじゅう……』
『ぬぅおおおおおおお!!!!真壁少尉っ!!!!』

 先ほどまで話題にしていた人間の登場、関わりの深い金の髪に青い瞳の少女イルフリーデ少尉がその名前を呼ぼうとしたが、空気を敢えて読まない音速の男爵の雄たけびにそれはかき消された。

『は、はい……』
『吾輩とおそろいなのであーーるっ!!!!』

『あ、はい、そうですね。』

 完全に振り回されている清十郎、脳裏に英雄と呼ばれる人間の顔を思い浮かべてはその中に常識人に該当しない人間の顔を隅で塗り潰していく。

 やはりというか、一人も残らない。英雄と呼ばれる人間は必ずどこかしらの螺子が飛んでいるのだな、と変な感想を抱く。

『むー……』
『あー、その、なんだ、うん……気持ちは分かるぞ。』

 ふくれっ面になった公爵家の同僚を慰めるとある侯爵家の少女がいたのだったとさ。


『何時まで遊んでいる清十郎っ!!』
『す、すいません!!』

 F-4をベースとしているとは到底思えない体捌きで次々と肉塊を量産してく忠亮。強靭な肉体を持つ要撃級がその刃金に触れるたびにまるで蝋人形であるかのように両断されていく。
 まるで、剣術の達人が戦術機にまるで憑依したかのように思わせる挙動―――コンピュータを介した入力と自立制御による通常の挙動ではあり得ざる次元の動きだ。

『本当にあれが F-4(ファントム)の動きなのか……』

 元より、この瑞鶴はF-4をベースとした改造機。とはいえ、存在するF-4を改造して瑞鶴にすることはできない。
 改造機と言う定義は幅広く、すでにある機体のパーツを交換・追加した物から、設計を参考にしただけの物まで存在している。
 この瑞鶴は後者、設計ベースはF-4ファントムの物であるが同じ場所を探すほうが困難なほどに変更が加えられている。

『BMセレクト……行きますっ!!』

 紅の瑞鶴が疾走する。二門の突撃砲の36mmマシンガンの斉射、要撃級の腕の間に見える顔面へと正確に射貫く。
 そして大地を蹴る空中に半円を描くように空転しつつ120mm滑空砲を連射、さらに二体の要撃級の胴へと大口径砲が直撃、
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