176部分:第二十四話 剣の魔神その一
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第二十四話 剣の魔神その一
剣の魔神
シュラはジークと対峙を続ける。しかしまだ彼もジークも動こうとはしない。睨み合ったままでそのまま時だけを過ごしているのだった。
「来ぬのか」
「そちらこそな」
シュラはジークにこう言い返した。言い返しはするがやはり動かない。
「まだ仕掛けないというのか」
「お互い隙を探っているようだな」
ジークは表情も声のそれも変えることなくシュラに告げた。
「どうやらな」
「そうだな。先に動いた方が斬られる」
シュラは言った。
「それが今の闘いだ」
「その通りだ。しかし貴様のエクスカリバーと俺の剣」
彼はここで言うのだった。
「どちらが上かはもうわかっている」
「わかっているだと」
「そうだ。ベールは魔神達の中で随一の剣の使い手」
彼が言うのはまたこのことだった。
「だからだ。貴様のエクスカリバーよりも上回っている」
「根拠のある言葉には聞こえないがな」
シュラはこう言って今のジークの言葉を受け流した。
「とてもな」
「そう思うのならそう思えばいい」
ジークはシュラの今の言葉に対してこう言い返した。
「だが」
「だが。何だ」
「このジークの剣を只の剣と思わないことだ」
今度はこのようなことを言うのだった。
「決してな」
「どういうことだ」
「言った筈だ。魔神の中で随一の剣だと」
言うのはまたしてもこのことだった。
「そしてだ。その切れ味もだ」
「随一だというのか」
「こうしたこともできる」
ジークは身動きしなかった。確かに。
しかし目の前から何かを出してきた。それは鎌ィ足だった。
「ソードウィング」
技を放ってからその名を告げる。鎌ィ足は一直線にシュラに対して向かう。しかしシュラはそれを見ても身動き一つすることなかった。
「馬鹿な、かわさないだと!?」
「あれをかさわなければ」
聖闘士達はシュラがジークのソードウィングを前にしても身動き一つしないのを見て思わず声をあげた。それはほぼ悲鳴であった。
「断ち切られるぞ」
「黄金聖衣を着ていたとしても」
「案ずることはない」
だがサガはその悲鳴にも似た声をあげる彼等に対して告げるのだった。
「シュラはあの技を防ぐ」
「防がれるのですか」
「あの程度。シュラにしてもベールにしても技のうちには入らない」
サガはこうまで言った。
「あの程度はな」
「技にも入らないのですか」
「遊戯に過ぎない」
言葉は続く。
「所詮はな」
「そこまでですか」
「だからだ。安心して見ているのだ」
サガはここまで語ったうえであらためて彼等に告げた。
「シュラの今の闘いをな」
「わかりました。それでは」
「その様に」
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