第五章
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与えてくれるとは思わなくなっていました。それは事実であり彼もまた気が遠くなる程の戦いの中に生きていたのですから。そしてそれと共にライダーバトルに対して空しさを知り城戸が自暴自棄になると共に何とか優衣を救おうと戦おうとするのを拒みました。城戸のあまりもの悲しさを見ていられなくなったからです。彼はもうライダーバトルから去ろうとさえしました。
しかし最後にです。やはり朝倉との決着をつけようと決意してようやくそこまでこぎつけた令子とのデートよりも戦いを優先させようとしました。しかしそれよりも病の進行が早くです。彼は事切れてしまいました。死んでソファーに横たわる彼の上に一輪の花がありましたがおそらく由良が置いたであろうそれには彼の死と由良との絆がありました。
由良との絆は龍騎においての人の絆を見せるものとして重要なものの一つでした。由良というキャラクターは井上敏樹氏がそのキャラを作り上げ小林靖子氏が絆を作り上げていきました。そうしたキャラクターですが一見して寡黙で不気味な印象を受けますがその実は信義に篤く一途な人間でした。その為自分と似たものを持っている城戸とも気が合ったのでしょう。彼によって北岡もかなり支えられていました。
しかし由良は自分のせいで北岡の病があそこまで悪くなったと思い自責の念にかられていました。実際は違うのでしょうが。それでもそう思っていたのは確かです。
その結果最後の最後で北岡の代わりに朝倉と闘いました。その結果敗れ死ぬことになりましたがその時まで北岡のことを気にかけていました。彼がいてくれて北岡はどれだけ救われたでしょうか。自分が死んでも、北岡自身が既に死んでいても気にかけてくれているのですから。そして北岡にもそれだけのものがあったということでしょう。そうしたことまで見せてくれるキャラクターでした。
北岡は偽悪者でした。しかしこの龍騎、ひいては平成ライダーの世界では悪人がライダーになることもあります。
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