第二十四話 世界の外その五
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「安心していいよ」
「プロレスラーみたいな人でもですね」
「そうだよ、それにハウステンボスはね」
岡島はこの街のことも話した。
「あんないい場所はないから」
「最近特にいいそうですね」
「そうだよ」
それこそというのだ。
「夜景も奇麗でね」
「そんなにいいんですね」
「そう、凄く奇麗なんだ」
「じゃあハウステンボスにも」
「行ってね」
「楽しめば」
「いいよ、お昼も楽しい場所だし」
ハウステンボスはというのだ。
「食べるものも美味しいしね、それに」
「それに?」
「お酒も美味しいよ」
そちらも楽しめるというのだ。
「ワインとかね」
「お酒もですか」
「まあここは八条町じゃないから」
岡島は酒の話をしたところで少し冷静になって述べた。
「おおっぴらには飲めないけれどね」
「そこは、ですね」
「うん、君も八条町では飲んでいたね」
「はい」
はっきりとだ、優花は答えた。
「大好きでした」
「そこは姉さんと同じだね」
「そうですね、確かに」
その指摘に笑って返した。
「僕も好きで」
「姉さんもだからね」
「そこは遺伝ですね」
「そうだね、けれどね」
「ハウステンボスでは、ですね」
「少し我慢してね」
酒をというのだ。
「そちらは」
「わかりました」
「食べるものは何でも美味しいから」
「確かオランダの街をモデルにしているから」
「いや、オランダ料理は殆どというか全然かな」
「ないんですか」
「他の国の料理がメインだよ」
そうなっているというのだ。
「イタリアやドイツやスペイン、それにフランスだね」
「そうした国のお料理ばかりですか」
「じゃあオランダ料理は聞くかな」
「そういえばないですね」
「長崎でもないね」
「はい」
言われてみればその通りだった、出島があったのでオランダとは縁が深い筈のこの街においてでもある。
「そうですね」
「そう、オランダは食べものは有名じゃないんだよね」
「イギリスと同じですね、そこは」
「何かオランダの人はキッチンを奇麗なままにしておきたいそうだし」
「それオランダから来た子も言ってました」
八条学園にいる、だ。
「そんなことを」
「キッチンを汚す位ならだね」
「外で食べるって」
「そうした国みたいだからね」
「お料理は、ですか」
「あまり有名じゃないみたいだね」
これがというのだ。
「僕も聞かないし」
「言われてみればそうですよね」
「お隣のベルギーはお菓子だけれどね」
ベネルスク三国同士でもある、同じ国だった時代もあるがこの時はお世辞にも上手くいっていなかったとのことだ。
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