22話 一夏VS鈴 その2 & 無人機戦
[4/27]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
お粗末なものだが、本人の持つ生まれ持った感性は間違いなく攻撃力に特化されている。それだけは断言出来る。そうじゃなければあの戦いで俺たちの攻撃力に並べるはずがない
―――……いや、むしろあれの本質は守り寄りかもしれないな。
―――――――――
葵と双点牙月が高々と金属音をアリーナ内に響かせながら2人は交差する。
衝撃に震える右手。だが、鬼一との戦いで受けたダメージはとうに回復している。すぐにその痺れは引いて無くなった。
空中で一瞬だけ制止。
白式のスラスターが片方だけ勢い良く稼働し急速反転。
意識が振り回されながら一夏は葵を払う。
払った先には鈴の双点牙月が待っていた。
再度金属音が鳴る。
必要以上に踏み込まれるのを嫌った一夏は、自分から踏み込み鍔競り合いに持ち込もそうとしたがそこで思い出す。龍砲の存在を。
―――やべっ!
ちぐはぐな行動。自分から鍔競り合いに持ち込んだと思ったら今度は離脱。ギャラリーはその不可解な行動に疑問を抱える。そして対戦相手の鈴もその行動に疑問を抱くが迷わず追撃に移行。
―――やっぱり鈴は強い! 鬼一の奴、鈴を相手にあれだけ立ち回れたのかよ。しかも絶対防御を何度も発動させて!
「くっ―――!」
視覚外から振るわれる双点牙月は葵で弾いて凌ぐ。鬼一だったら先まで考えながらやるんだろうけど俺にはそんなこと出来るはずもない。鬼一のアレは間違いなく濃密な時間の中で積み上げてきた物だ。セシリアだって鬼一よりも長い時間ISの努力をしてきたからこそ、あんな風に動かせるんだ。
積み上げてきたものも相応の努力をしていない俺が出来ることなんて、やれることなんて1つしかないじゃないか。
―――目の前の出来事に全力で、それこそ死に物狂いで食らいついていくしかない―――っ!
焦るな。焦ると視界が狭くなる。
逸るな。逸ればチャンスを見逃すことになる。
考えるな。俺みたいな奴が呑気に考えていたら後手に回される。
感じるんだ。鈴の攻撃も守備も。
「―――!」
僅かに空いたスペースに後退。鈴の打ち合い始めてから随分と時間が経っている。いい加減呼吸が続かない。分の悪い勝負は極力避けないと。勝つために、自分が全てを賭けることが出来るタイミングが来るまで粘るんだ。
「―――逃がさないわよ!」
分かっていたけど鈴のスタミナは頭がおかしいっ! 全力で攻める方が体力を使うはずなのにパフォーマンスが落ちないんだよ!
こっちはスペースを残さないといけない以上、鈴が踏み込んでスペースを潰しに来るならこちらも迎撃を取るしかない。
それはつまり、この無尽蔵と言える体力に真っ向から付き合うと
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ