170部分:第二十二話 返し技その五
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第二十二話 返し技その五
「そのうえで技を跳ね返す技だ」
「我等の攻撃を完全に見切るとは・・・・・・」
「この狂闘士の攻撃を最初から」
「流石と言うべきですね」
三人はまだ何とか言葉を出すことができていた。
「どうやら。最初から相手にはならなかったか」
「我等の力の及ぶところではなかった」
「これが黄金聖闘士の力・・・・・・」
そのことを遂に悟ったのだった。
「恐ろしい男だ」
「しかし。我等にはまだあの方がおられる」
「そう、あの方が」
シエラが死の間際の声でその男の名を出すのだった。
「ジーク様が」
「ジーク様ならば仇を取って下さる」
パイソンもまたジークに対して絶対の信頼を見せるのだった。
「あの方なら。間違いなく」
「カプリコーンよ」
クリシーヌも最後の言葉を出した。
「冥界で会おうぞ」
この言葉を最後にして三人も事切れたのだった。これでシュラは五人の狂闘士を倒した。しかし彼の警戒の念はまだ解かれてはいないのだった。息絶え横たわる彼等を一瞥してからそのうえで正面に向き直りそうしてそこにいる者に対して告げるのであった。
「あとは貴様だけか」
「やはり無理だったか」
ジークだった。彼は己が率いていた狂闘士達の敗北を見たうえでシュラに告げた。
「あの者達では」
「少なくともこのシュラの敵ではなかった」
シュラは感情を見せない、それでいて鋭い目でジークに言葉を返した。
「ただそれだけだ」
「そうだな。しかしだ」
ジークは彼のその言葉を受けてから言ってきた。
「狂闘士の掟は知っているな」
「先程この者達から聞いた」
ここでまた横たわる彼等を一瞥した。
「貴様等の絶対の掟だな」
「そうだ。仲間の仇は何処まで追い詰めても取る」
ジークは言った。
「それが我等の掟だ。覚悟するのだな」
「それではだ。用意はいいな」
「それはこちらの台詞だ」
ジークは既にその手に剣を持っていた。鞘から抜かれその紅い禍々しい輝きを見せていた。狂闘士の禍々しい輝きをそこに見せていたのだ。
「カプリコーン、貴様に見せよう」
その剣でシュラを指し示しながらまた言ってきた。
「この八大公の一人ベールのジークの剣をな」
「ベール」
シュラはその魔神の名前に反応を見せた。
「魔神の中で最も剣の技に優れた者だったな」
「そうだ。その剣は全てを切り裂く」
こうも言うのだった。
「魂であろうと。黄金聖衣であろうともな」
「一つ言っておこう」
黄金聖衣を切り裂くという言葉に反応してだった。
「黄金聖衣は神話の時代より破壊されたことはない」
「誰にもか」
「そうだ。誰にもだ」
こうジークに告げるのだった。
「誰にもな。神であろうともだ」
「面白い。それでは俺
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