第1章
旧校舎のディアボロス
第5話 やってきました、オカルト研究部!
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がないか。
「実はね──この間、町外れの廃工場で私の領地に侵入して勝手をしようとしたはぐれ悪魔が誰かに討伐されていたの」
「はぐれ悪魔?」
はぐれ悪魔のことで怪訝な表情になるイッセーに先輩が説明する。
「イッセー。はぐれ悪魔というのはね、下僕が主を裏切ったり、または主を殺して主なしとなり、各地でその力を自己の欲求のままに振るう不定の輩のことよ」
「そのはぐれ悪魔が、この町で殺されていたってことですか?」
「ええ。そして──士騎明日夏くん。そのはぐれ悪魔を手にかけたのは、あなたじゃないかしら?」
先輩が俺に探りを入れてくる。
自分の管理地で妙なことをする者がいるのなら、気になって当然か。
「ええ。そうです」
隠してもしょうがないので、正直に言う。
「理由を聞いてもいいかしら?」
「遭遇したのは、まったくの偶然です。俺を襲おうと向こうから接触してきたので──」
「──自己防衛の結果、というわけ?」
「いえ。一目見て、すぐにはぐれとわかり、他の犠牲者が出る前にと思いまして」
「そう。つまり、あなたたちは特にこの町で何かをしようとしているわけではないのね?」
「ええ。先輩たちに累を及ぼすつもりもありません。イッセーのことがなければ、特に関わるつもりもありませんでしたし。とはいえ、先輩の管理地で勝手なことをしたのは事実ですので」
先輩はそれを聞くと、ふぅと息を吐く。
「はぐれ悪魔の件はまぁ、とくに私たちに累を及ぼすことではないことだし、気にしなくていいわ。おかげで犠牲者が出なかったわけだし」
先輩は微笑みながらそう言う。
「でも、これだけははっきりさせてちょうだい」
が、すぐに先ほどのように、俺たちを見据えてくる。
「──あなたたちは何者なのかしら?」
―○●○―
先輩が少し視線を鋭くして明日夏たちを見る。
その視線にひるむことなく、明日夏は言う。
「俺──俺たち兄弟は異能と関わりのある職業で生計を立てている人間です」
「その職業とは何かしら?」
明日夏は昨晩、俺に話してくれた自分たちの正体を先輩たちに明かす。
「異能専門の『賞金稼ぎ』です」
賞金稼ぎ──それが明日夏たちの正体だった。それも、一般で知られているものではなく、魔物とかそういう類い専門のだそうだ。
明日夏から聞いた話によると、ハンターギルドってのがあって、そのギルドが賞金を懸けた人間などに被害を及ぼす存在──魔物とか(たぶんさっき出てきたはぐれ悪魔もだろう)を討伐して、お金をもらう職業だそうだ。普段はハンターと呼ぶらしい。
「・・・・・・まぁ、俺と千秋はまだ見習いですが」
どう
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