17部分:第一話 狂闘士強襲その二
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第一話 狂闘士強襲その二
「二人ではと」
「それは一体」
「昨日スターヒルに上がった」
教皇はまず昨夜のことを二人に話した。
「スターヒルに」
「そうだ。そして私は見た」
サガに答える。
「赤い禍々しい星が輝きを増しているのをな」
「赤い星」
「まさか」
「そうだ」
また二人の言葉に答える。
「御前達が思っている通りだ。大きな戦いがはじまろうとしている」
「では我々にその戦いに赴けと」
「そう仰るのですね」
「今はいい」
それは否定した。
「今はこの聖域を護っているのだ。今聖域にいる黄金聖闘士は御前達二人だけだ」
「はい」
二人は同時に教皇のその言葉に頷いた。今黄金闘士は三人いる。だがもう一人のライブラの童虎は特別な任務により聖域を離れ今ここにはいない。従って今聖域にいる黄金聖闘士は彼等二人だけなのだ。
「だからだ。今は」
「この聖域を護っていろと」
「そうだ。そしてアイオロス」
「はい」
今度はアイオロスに声をかけた。彼もそれに応える。
「アイオリアはどうか」
「既にレオの黄金聖衣を身に着ける資格を備えました」
「セブンセンシズに目覚めたのだな」
「そうです。これで」
「十二人全員揃った」
教皇はアイオロスの言葉を聞いてあらためてこう述べた。
「遂にな。では新たに黄金聖闘士となる者達がこの聖域に来るまでは」
「私達はここを離れるなと」
「そうだ。よいな」
あらためて彼等に命じる。
「あの者達に備えてだ。また各地に散っている白銀聖闘士や青銅聖闘士達も呼び寄せる」
「彼等は既にそこまで」
「そうだ。目覚めようとしている」
また二人に告げた。
「既に多くの者達が」
「では我々は他の黄金聖闘士達がここに入るまで」
「今聖域にいる白銀聖闘士や青銅聖闘士達を指揮し備えるのだ。いいな」
「わかりました。それでは」
「そのように」
二人は教皇の言葉に一礼しそれに従うのだった。この時聖域のあるアテネから離れたトラキアの地において赤い禍々しい巨大な宮殿が姿を現わしていた。
壮麗ではなかった。床も天井も石柱も全てが赤くそれは血の色に似た赤だった。殺伐とした禍々しい雰囲気を漂わせておりその赤の中に眩い黄金が散りばめられているがそれがかえってこの宮殿の禍々しさを映し出していた。その宮殿の中を翼を持つ赤い鎧とそれと同じ色の三叉の槍を持つ者達が動き回っている。その彼等に対して青い長い服を着た赤い髪の女が問うのであった。
「皆集まっておるか」
「はい」
その兵士の中の一人が女の問いに対して答えた。
「既に皆封印から復活しこの宮殿に集まっております」
「左様か」
女はそれを聞いてまずは満足したように頷いた。そのうえでまた言うのだった。
「それでは全軍で
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