169部分:第二十二話 返し技その四
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第二十二話 返し技その四
「シエラ様、ですがまだ」
「我等の拳が」
「わかっています」
シエラもまた苦い顔をしていた。しかしそれでも彼女は二人に比べて遥かに冷静であった。公爵の爵位が彼女をそうさせるのか。
「まだ敗れたわけではありません。だからこそ」
「カプリコーン、我等を侮るな」
「我等は敵に背を向けることはない」
また二人はシュラに言ってきた。しかし今度は先程までとはうって変わって余裕なぞ微塵もない、そうした言葉になってしまっていた。
「だからだ。今度は」
「我等の拳で」
言葉と共に間合いを狭めていく。そして。
「行くぞ!」
「死ぬのです!」
パイソンとクリシーヌが叫んだ。続いてシエラも。
「このマルコキアスのシエラの拳」
言葉と共に技を放つ。
「見せてあげましょう」
言いながら三人同時に拳を繰り出した。だがシュラはここでも動かずそのまま攻撃を受け止めた。かのように見えたのであった。
「受けるのです!」
シエラの言葉と共に三人一斉に攻撃を放っていた。それが今まさに迫らんとする。拳がシュラを撃たんとしていた。シュラはここで遂に動いたのだった。
右足を下から上に放つ。しかしそれは放ったのではなかった。敵の攻撃を受け流しそれを跳ね返したのだった。それが今の攻撃だった。
「ジャンピングストーン!」
技の名前を叫んだ。シエラ達三人は天高く吹き飛ばされそのうえで地面に叩きつけられた。シュラは三人の動きを逆に跳ね返して技を繰り出したのである。
「な、何だ今のは」
「我等の攻撃を跳ね返したというのか?」
「そうだ」
シュラは地面に倒れ伏しながらもそれでも声をあげるパイソンとクリシーヌに対して告げた。三人のダメージは先程のバドやビルフォードと同じだった。かなりのものだった。
「このシュラの技はエクスカリバーだけではない」
「そのジャンピングストーンもだったか」
「如何にも。技は斬る、突くだけではない」
倒れ伏す三人に対して告げた。
「ただな。それだけではないのだ」
「技を跳ね返すというのも」
シエラもまたシュラに対して言っていた。そのダメージの中で。
「あったのですか」
「わかったな。わかったらそのまま倒れているのだ」
既に三人のダメージを見切っていた言葉だった。
「最早その命長く持ちまい」
「くっ、確かに」
「我等はもう」
パイソンもクリシーヌも苦悶の中で言葉を出した。
「これ以上動くことは適わん・・・・・・」
「無念・・・・・・」
「己の技を受けたのだ」
シュラの声がまた彼等に降りかかった。
「ならば。その傷は己にとって危険なものとは必定」
「しかし。それには」
シエラもまたその苦悶の中でまたシュラに言ってきた。三人共今にもそのまま事
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