SHR
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「ではSHRを始めます皆さん」
黒板の前でにっこり微笑んでクラス内を見回す女性副担任『山田真耶』先生。第一印象は失礼だろうが、まだ成人していない子供が大人びようとして大人の服を着てきただろうか。
「それでは今日から一年間、皆さん宜しくお願いします」
「「「「「………」」」」」
けれでも誰も返事を上げない、新学期特有の緊張感の影響が誰も口を開かない。
「え〜っと……出席番号順で自己紹介をお願いしますね」
少しショックを受けながらもSHRをきちんと進行させようとする山田先生。可哀想と言えば可哀想だ、一人の男子も返事はしようかともは考えたが周囲の空気がそれではなかった為口を開かなかった。何よりこの空間に居ること事態に不満を持っているからだ。その男は金髪で藍色の瞳をしている霧雨 閃輝だった。
「(はぁ……如何してこんな事になったんだろうか)」
溜息を付く彼に労いのアイコンタクトを飛ばす銀髪の女子生徒、その視線に気付くと有難うを込めてアイコンタクトやり返す。
時は少々時を遡り……霧雨兄妹の家
「へっ俺がIS学園に?」
居間にて寝転びながら読書をしてのんびりとしていた閃輝は兄のいきなり言葉に呆然とする、その兄である闇夜は新聞を広げて閃輝へと投げた。顔面に直撃した新聞を起き上がりながら広げてみる。
「これ文々。新聞じゃないな、何々?『世界初!男でありながらISを動かした少年!!』……これってもしかしなくても外界の…」
「そ、俺が先日外界に出た紫さんから貰った物だ」
幻想郷の管理者たる八雲 紫。神出鬼没で胡散臭いと噂の彼女だが閃輝の評価としては兄の事が好きで結構乙女名ところがある美人な大人のお姉さんである。そんな彼女から貰ったという新聞を改めて読み始める。
「『世界初男でありながらISを動かした少年は未だに行方が知れず捜索中、捜索の手は既に日本全国世界各国で行われているが発見できず』そりゃ見つかる訳ないっしょ……幻想郷に居るんだから」
閃輝は新聞を閉じて能力で新聞が経過する時間を速める、本来流れていく時間とは全く違う速度で経過していく新聞の「時間の速度」。徐々に新聞は汚れて行き、遂には風化し消滅して行った。がそれを見ていた一人の少女が文句を言い出した。
「ああちょっと何してるのよ私も読みたかったのよ、外界の新聞なんて滅多に読める物じゃないのに」
「なら先に言えっての……咲夜さん、力貸して貰っても良いですか?」
「ええ勿論」
霧雨宅に遊びに来ていたのは霧雨兄妹と深い交友関係にある吸血鬼の館、紅魔館の主たるレミリア・スカーレットとその従者で閃輝と深い関係である十六夜 咲夜であった。二人は既に風化した新聞へ手をかざすと風化した新聞の時間が巻き戻って行き平常時の状態へと戻った。
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