第50話 腑
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?」
チャクラの制御が出来ないサソリには、弾丸が深く刻み込まれて、血が止め処なく溢れ出してくる。
サソリは、膝を着いてなんとか片腕を前にして黒ゼツ達を封じ込め続けるために入らない力を込める。
「赤い髪の男を仕留めました......とミサカは狙いを定めたまま高らかに宣言します」
「ナカナカ、頑張ルナ......」
「ご苦労〜。ついでにこのうるさい音も止めるっす」
「了解しました......」
御坂......どういう事だ?
なぜお前が......
隣で肩を押さえて倒れている木山に這い蹲りながら近づき、上を見上げる。
機械的に冷たく見下ろしている御坂と思しき者と視線を合わせた。
「違う......」
サソリは忍の本能や微々たるチャクラ感知から目の前にいる人物は、御坂美琴とは違う人物と直感で判断した。
「.......」
ミサカは木山の手から離れたキャパシティダウンのリモコンを拾い上げて、ダイアルを回して、出力を下げていく。
ま、まずい......
ここで奴らを解放するのは......
しかし、音が弱まるのと比例して砂に閉じ込められていた黒ゼツとトビにチャクラが戻り、弾き飛ばすようにサソリの砂を振り払うと床に着地をした。
「ククク......残念ダッタナ」
緑色の発光体を浮遊させて、腕を前に出してメルトダウナーを発射した。
「ぐああああー!!」
中腰になっていたサソリの脚に当たり、作用反作用の法則により脚を後方に弾くとサソリが前のめりに倒れた。
「!?チ......ヤハリ、完全ニ戻ッテイナイヨウダナ」
キャパシティダウンの反動かまだ能力が復活していない黒ゼツは、麦野の腕を睨み付けながら舌打ちをした。
「割と厄介な装置っすね〜」
トビフレンダが、身体を揺らめかせながらミサカからリモコンを引っ手繰ると突き飛ばした。
「あ......」
「こんなものは」
バキッとリモコンを力任せに握り潰すと破片がバラバラと落ちていく。
その時に切ったであろう血が床に向かって滴り落ちた。
「はぁぁぁ!」
サソリは、足を引きずりながらキャパシティダウンにより封じ込まれていた万華鏡写輪眼が復活し、燃えさかる蒼いスサノオを出現させて身に纏っていた。
絶え絶えの鎧武者のような上半身だけのスサノオの刀が真っ直ぐトビフレンダに振り下ろされた。
「うわっ!っとと。危ないじゃないすか!!先輩」
間一髪で躱したトビフレンダが、よろめきながらサソリに文句を言った。
「フ......立ッテ居ルダケデモ精一杯ミタイダナ」
「あららー、やっぱり使っちゃいますか」
「そこにいる御坂にそっくりな奴は何だ?」
「答エル義理ハナイナ......」
「ああ、そうかい」
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