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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百六十四話 激震する帝国
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りかねない」
「……なるほど、卿はそこまで考えているのか」
呻くようなフェルナーの声だった。俺自身心配しすぎかという気がしないでもない。しかしエルウィン・ヨーゼフが当てにならない以上、あの二人は確実にこちらの手に確保しなければならない。
「ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯はもう救う事は出来ないだろう。だがフロイライン達は未だ助ける事が出来る。卿らはそのために生きるべきだ」
フェルナーとガームリヒ中佐が顔を合わせ、互いに頷いた。
「卿の言う通りにしよう。感謝するぞ、エーリッヒ。俺に生きる希望をくれたことを」
馬鹿やろう、暗殺に成功しても失敗しても死ぬ気だったか、世話の焼けるヤツだ。
「時間が無い、もう直ぐ登庁してくる人間が現れるだろう。もしかするともういるかもしれない。モルト中将、彼らと部下を装甲擲弾兵の中に隠して逃がしてください」
「はっ」
モルト中将と装甲擲弾兵に囲まれフェルナーとガームリヒ中佐が部屋を出ようとする。
「アントン、ガームリヒ中佐」
俺の呼びかけに二人が振り返った。
「ブラウンシュバイク公、リッテンハイム侯に伝えてくれ……。残念だと……。この上は門閥貴族としての生き様を貫いて欲しいとね」
「……分かった」
部屋を出て行く彼らを見ながら思った。急いでくれと、ランズベルク伯達が暴発する前に私を暗殺したと大声で叫ぶ。それだけがあの二人を救う事になる……。
「上手い理由を見つけましたな」
「……」
リューネブルクはニヤニヤしながら俺を見た。失礼なヤツだ。
「これから如何なさいます?」
「そうですね、軍務尚書、統帥本部総長、国務尚書に今のことを話します。ギュンターにも警備を緩めるように頼まなければ成りません。アントンやランズベルク伯がオーディンから上手く逃げ出せるようにね。急がなくては」
「そうですな、急ぐ必要がありますな。その後は?」
「その後ですか……、部屋に戻って休みます。私が死んだというデマが流れるまでね。今日は少し疲れました」
「では、先ず部屋に戻りましょう。偉い方々への連絡は部屋からのほうがよろしいでしょう」
「確かに人目につかないほうがいい。では戻りましょうか」
帝国暦 487年 11月23日 オーディン 宇宙艦隊司令部 ウォルフガング・ミッターマイヤー
もう昼になる、だが今日は朝から宇宙艦隊司令部が、いやオーディン全体がざわめいている。今朝方、新無憂宮に賊が入ったらしい。フロイライン・ブラウンシュバイク、フロイライン・リッテンハイムの二人が誘拐されたという噂が立っているがはっきりとしたことは分からない。
俺は自分達の司令部に与えられた部屋で苛立っていた。憲兵隊、近衛兵の知り合いに連絡を取ろうとしても取れない。
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