暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第239話 攻略不安要素
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ですよ? 《怒る》と言うより《叱る》だと思いますが」 
「ふふふ。勿論判ってます。しっかりとユウキの事を見ておかないといけませんからね?」

 最後には2人は、笑顔になっていた。

 そんな2人の元へと早足で駆けつけるのは、ユウキ。
 どうやら、自分の名前を言っていたのに気付いた様だった。

「ボクの名前呼ばれた気がしたんだけどー。まーた、何か悪グチ言ったのー??」

 頬をぷくっ、と膨らませているユウキ。
 
 ランは、それを訊いて―――、少しだけ呆然としていたのだが、直ぐに表情を柔らかくさせた。


――前にも、こういうの……あったよね?


 この場にいる者達に問いかけたのではない。
 心の中で、ずっと生き続けている彼女(・・)へと送った言葉だった。

 ランは、ゆっくりとユウキに近づくと、人差し指をユウキのふっくらと膨れた頬目がけて、突かせた。

「いつまでも、世話の掛かる妹だから、明日もしっかりと見てないとね? って言ってただけよ」
「もーーっ、姉ちゃんっ! ボクだってやる時はしっかりとやるんだからねーっ」

 



――あの時は、本当に楽しかった。

――いいや、今に不満がある訳じゃないよ?

――ただ……()を見ていると、接していると、強く思い出すんだ。あなたを傍に感じる。

――あなたの事……、《サニー》の事。 



 それは、もう戻らない日々の記憶。

 確かに一度は、絶望をした。……本当に悲しかった。様々な悲しい出来事があった中でも、格段に……。

 だけど、それでも必ず守らなければならない約束があるから、ランは――、いや スリーピング・ナイツの皆は強くいられる。

――いつも心は共にあると思ってるから。




















 
 スリーピングナイツの皆と別れたリュウキは、とある人物にメッセージを送り、その返信内容を確認していた。

 ここ最近の層の攻略事情については、少々ではあるが耳に届いている。リュウキやキリトにとって、いや……、アスナやレイナも勿論同じ。皆の最優先目標は、22層の開放だった。
 
――あの森の家を、もう一度……。あの森の家で、もう一度家族として過ごす事。

 それを強く思っていた。

「………レイナ」

 強く思ってきた。
 ずっと、ずっと――彼女を想い続けてきた。

 だからこそ、リュウキは判る。僅かではあるものの、レイナの様子がおかしい事に。何処か、悲痛な表情が顔に出ている事に気付いた。

 だけど、リュウキはそれを訊く事は出来なかった。

 当然、レイナとは互いに何でも話す間柄にはなっている。(例外は勿論あるけれ
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