暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第239話 攻略不安要素
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ランは、口を滑らせてしまった事に気付き、咄嗟に口を掌で覆うが、最早手遅れだろう。

 そんなランの姿を見て、微笑みを返すシウネー。そして、慌てるランとは対照的にゆっくりと、そして 何処か遠い目をさせながら言葉を紡いだ。

「……ランさん。()の事は――、気にしなくて良いんですよ」
「え……?」
「私の幸せは、ランさんの幸せにも繋がるんです。ランさんやユウキには幸せになって貰いたい。……だから、私の事を、負い目に感じて欲しくないんです」

 シウネーの言葉を訊いて、ランは慌てて自戒する。思っていなかったとしても、そう見られてしまったのであれば、意味は無いからだ。……だけど、それでも、そうだとしても、ランは納得できなかった。

「そ、そんな事、考えてないよっ! 違う、違うのシウネー。その、恋愛とか、そういった感性じゃなくって、確かに格好良い人だ、って思ったのは事実だけど、その、ちがって――」

 ランは、必死に弁解をした。

 彼を見る目は確かに、感情が込められていると自覚している。だけど、皆の事を、かけがえのないギルド、スリーピング・ナイツの皆を負い目に感じた事など一度も無いのだ。

 その後は、二度三度と深呼吸をした後に、シウネーに向き合った。

「シウネー。私は、皆の事が好き。……ギルドの皆の事が。もう、いなくなってしまった(・・・・・・・・・・)皆も含めて、皆が大好き、なんだから」

 その眼を見て、今度はシウネーが咄嗟に口許に手を当てがった。その後、ゆっくりと手を離して。

「……っ。御免なさい。失言、でした」

 ランの必死な言葉に、シウネーは慌てて頭を下げた。
 ランの幸せの為に、と考えたのは事実だった。でも、だからと言って、負い目に感じる、と思う事自体が、ランに対する侮辱となってしまう。言葉が足りなかった、とシウネーは反省をしていた。

「……シウネーが私の事を、私やユウの事を想ってくれるのは、とても嬉しい。でも、また 言ったら、今度は怒るからね?」
「そうですね。ごめんなさい。もう、二度と口にはしません」
「……ふふ。私達に《怒り》の感情はいけません。だから、もう言わないで。……スリーピング・ナイツは、笑顔の、ギルドなんですから」
 
 シウネーは、謝罪をもう一度した後に、空を見上げた。
 もう、空は夕闇に包まれつつある。僅かに一筋の光が空に掛かっているだけ、だった。

「……約束、ですから。約束を……しましたから」
「はい。……大切な約束です。今はこのギルドの理念です」

 ランとシウネーは、何かを思い出した様に、そっと目を閉じていた。
 軈て、ランが目を開くと 少しだけ口許を緩めて言った。

「あ、でも お説教と言う意味では、全くダメ、と言う感情じゃない
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