暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第239話 攻略不安要素
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「ああ。全力を尽くす。こちらこそ、宜しく頼むよ」

 リュウキは、そう返すと翅を広げ――大空へと羽ばたいていった。

 その姿を見送るユウキ達。
 ユウキは、姿が見えなくなるまで、ずっと手を振り続けていた。
 ランも、リュウキの姿をずっと、見ていた。





 そして、いつの間にか、ランの隣に立っているのは、シウネー。

「ランさん」
「………」
「ランさん?」
「っ……、あ、何? シウネー」

 何処か上の空なラン。
 ユウキや他の皆は、リュウキの事に気があるのだろう、と先ほどのやり取りから思っていたのだが、シウネーだけは少しばかり違った。
 確かに、全力でぶつかり合い、受け止めてくれた相手を―――、と考えれなくも無い事だが、それ以上に何か(・・)を、シウネーは感じたのだ。
 
 リュウキを見るランの瞳に、その瞳の中に秘められた光に。

「不思議な人達、でしたね。知り合って間もない、と言うのに。本当によくして貰って……」
「うん……」
「ユウキもすっかり懐いちゃったみたいですし?」
「あはは。ユウは基本そんな感じじゃないかな? 活発な妹ですから。シウネーも知ってると思うけど」

 ランはにこっと笑ってシウネーにそういうのだが、シウネーはただ目を瞑っていた。

「――リュウキさんの事」
「っ」
「ランさん。……リュウキさんに何か感じる事があったのですか? その――、少し、違う(・・)感じがしましたので」 
「あはは……、違うって、何がですか?」

 何が『違う』のだろうか? と一瞬だけ誤魔化す様にランは思い、口に出した。
 単純に、好意的に見ていた。一目ぼれをした。と言われれば、ランは、慌ててしまっただろう。リュウキと相対して、――至近距離で彼と戦い、最後は圧倒されてしまった。

 その戦う姿が、その一つ一つの表情が、脳裏から離れなかったのは本当の事だったから。

「ふふ。直ぐに教えてください、とは言いませんよ」

 シウネーは、そう言って笑い。

「相談なら、いつでも受け付けてますから。はい。この手のお話であれば、私もきっとお力になれます」

 両手をぐっ、と握ってそういうシウネー。どことなく、『ファイトっ!』と言っている様にも見えた。

「あはは……」

 ランはただただ笑うしかできない。
 その後は更に痛烈な一言。

「あー……、でもリュウキさんは、きっとレイナさんかアスナさんのどちらかと……、って思うんですが……」
「ぅ………そ、それは私も思いました……。特にレイナさん、ですよね……」

 やや、表情を眩めてしまうラン。それを見るや否や、シウネーはにこっと笑った。

「ふふふ。やっぱりっ♪」
「ぁっ……///」

 
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