暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第239話 攻略不安要素
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「まず、何よりも大事なのは、BOSSの攻撃パターンをきっちりと把握する事なの」
「うんうん。ちゃんと回避できる所は回避して、自分達のダメージは最小限に。その上で効率よくBOSSにダメージを与える事だよね? 回復アイテムの消費だって最小限に抑えられるし!」
「ああ。BOSSのデーターを全て丸裸にする事が出来れば、如何に人数が少なくても、理論的にも物理的にも攻略は可能だ。こちらのHP(体力)は減らず、BOSSのHP(体力)は減らすんだ。相手は無限じゃなく、有限だからな」

 過去については、明らかにはしていない。何も言っていないが、それでも、旧アインクラッド(SAO)でのBOSS戦を熟してきた攻略組出身である3人の説明には何処か説得力があるのは、当然の事だった。

 それは、事情を全く知らないスリーピング・ナイツの全員も感じていた事だった。だからこそ、今までの経緯を説明する必要がある、と思ったユウキは、やや前のめりになりつつ、説明に入った。

「うんっ! ボク達もそう思って、最初はぶっつけ本番って感じて突入してて、頑張って攻撃の種類とかパターンとか、覚えて さぁ、もう一戦っ! って思ってたんだけど――」
「いつの間にか、大きなギルドが攻略をしてしまっていて、あと一歩、及びませんでした」

 ユウキの説明にランも加わる。
 ユウキはしゅんっ、と表情を落とし、隣にいたランが慰める様に頭を数度撫でていた。ラン自身もやはり悔しさはある様子なのは、彼女の表情を見たアスナやレイナもよく判った。特にアスナ……。


――妹(多分)のユウキの前ではしっかりとしないと。


 そう ランは強く思っているのだろう、と想像出来たのだ。

 そして、次にテーブルの反対側にいたジュンがやや眉を寄せて言葉を更につなぐ。

「んー、でもさぁ。三時間後に出直したらもう終わってたんだよなぁー。まぁ、気のせいなのかもしれないけど、なーんか、僕らが失敗するのを待っていたみたいな気がするんだよ」
「へぇ……」
「うーん……、そうなんだ……」

 アスナは口許に手を充てて考え込み、レイナは やや 表情を引き締め直していた。
 BOSS攻略は、その難易度の高さゆえに、成功報酬も多大なるものになって来ている。だからこそ、その競争率は非常に高く、何よりトラブルが発生している事もざらだ。
 かつての世界では、文字通り命がけの戦いだったから、蟠りも上に昇るにつれて、少々は薄れたりはしていたが、この世界は娯楽(ゲーム)だ。仮の姿(アバター)に身を窶している為に、人の欲が出やすい世界とも言えるから、仕様が無いとも言えるだろう。

 そして、何より 最近でも よく耳にするのも事実だった。大ギルドによる管理が過ぎる為、と言う件からのトラブルが主
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