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とある科学の捻くれ者
13話
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わりを持ってしまったのだ。いや、まだ触りだけなのなら、向こうも八幡には何もしないかもしれない。

「だが、お前の所為で巻き込まれたというわけじゃない。魔術については前々から知ってたしな。だから、別にお前が気負う必要もない。あと俺は心配しなくても科学サイドの人間だ。だから禁書目録をどうこうしようなんて思ってない。ここまで俺が話したんだ。お前も話せ」

いまの一瞬で八幡は上条の疑念や罪悪感をすべて解消した。

「確かにそうだな。俺も話すよ」

こうして、上条と八幡の会議が始まった。


***

「と、いうわけなんだ。」

上条は話した。自分がどういう経緯で魔術とかかわりをもったのかを、禁書目録の事をすべて話した。禁書目録の具合が悪化し、寝込んでいる今だからこそ話せた内容だった。

ざっと要約すると、禁書目録は完全記憶能力者で10万3000冊の魔道書っていうものすごく膨大な量を脳に記憶しているため、脳の85%がその魔道書に埋められてて、残りの15%しか禁書目録は使えないと、そしてその15%も一年周期で記憶を消さなければ、禁書目録の脳がパンクする、ということだ。

「....まず言うとだな。記憶の15%しか使えないとかって言ってたよな?それ全部嘘な」

「なっ!?」

「まず、記憶ってのはエピソード記憶とか意味記憶とか色々と、いれもんが違うんだよ。つまりだ、そのなんだ?魔道書10万冊覚えても記憶を消さなきゃいけないなんてことは絶対にない。考えてみろよ完全記憶能力は禁書目録だけじゃないんだ。そんなに記憶の領域食うなら他の完全記憶能力保持者も7年でパンクしちまうことになるぞ。しかもなんで、そんな15%ととかいう具体的な数字が分かるんだよ」

ガラガラと崩れ去った。上条さん崩れすぎですね。はい。今の今まで考えてたものが根底から崩れ去ったのだ。驚愕を露にしないわけがない。だが、ここで疑問が残る

「じゃあなんで...インデックスは一年周期で記憶を消さなきゃならないんだ?」

「その10万3000冊の魔道書は随分危険なものなんだろ?なら、協会がそいつを束縛するのは当たり前だろうな。飼い犬に鎖をつけるみたいに」

つまり、つまりつまり。インデックスは協会によって記憶を一年周期で消さなきゃならない体に変えられた、というわけになる。あちらは魔術サイドだ。であれば当然インデックスの体に関しても、魔術で細工をしているはずだ。

「けど、俺の右手で触ってみてもなんの反応もなかったぞ?」

「なら、触れられないところにでもあるんじゃないのか?例えば...」

「口の中とか」

まさか、と思い上条は口の中を覗いた。

「!!?」

それはあったのだ。口の中に、禁書目録を縛り付け、苦しめる鍵が確かにあった。
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