言の葉 【ひまわりヒナ】
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女は薄々気づいていた。彼が私達を必死にサポートしていたのは何かに救いを求めたかったんだってことに。
私と彼女は彼をよく知っている、知らないところはないと思えるぐらいに。
私と彼女は彼の気持ちが想像できる、彼の性格を知り、彼の行動をよく見てきたから。
私と彼女は彼への考え方が似ている、私が見てきた彼は彼女が見てきた彼でもあるから。
けれど私と彼女は違う。
私は
????たった一言を言葉にすることが出来ない。
過ごしてきた時間は同じ、それは今も変わりません。彼への思いも。
ずっとずっと一緒、私の人生の中で最高の親友。
だから私は彼女の事を、恨むようなことはできませんでした。できるはずなかったんです。
嫉妬は確かにあったんだと思う、彼を取られたくないって、思っていたんだと思う。
けれどそれ以上に私は、彼女の事も大好きで。離れたくない、離したくない、唯一の存在で。
大好きで、タカラモノである親友を恨むなんてできるはずがなかったんです。
だから叶わないんです、彼の隣に私がいる未来は。
でもだから叶えられるんです、彼の隣に彼女がいる未来は。
私の複雑で歪んだピースはパズルには当てはまらない。
でも純粋で、気持ちをそのまま言葉にできる彼女の、綺麗に整ったピースはパズルにぴったり当てはまる。
この時、私は気付いたんです。
たった1つの簡単なこと。
????3人の未来に、私の彼への気持ちは、この恋は必要ないことに。
「ごめん、ごめん!今まで黙ってて!」
だから私は
「ううん、いいんだよ」
彼女にそっと包み込むように抱きしめられた彼の元へ近づき、
「2人とも、風邪引いちゃうよ」
2人を外から包み込むように、笑って、傘を差したんです。
私はこれでいい。
私は3人のこの関係が崩れなければいい。
私に必要なのはこの関係だけ。
私が彼の隣にいる必要はない。
私は隣同士座る2人を、静かに外から見守ることができればいい。
私はそういう存在。それが私の役目でいい。
私はこの日、ようやく頭の中のパズルを埋めることができました。
「ドレス姿似合ってるよ!凛ちゃん!」
「そ、そうかな」
「そうだよね!そう思うよね!」
「え、あ、うん、すごい可愛い……と僕は思う。うん、似合ってるよ凛」
「て、照れるにゃ、でもありがとう」
「やっぱり私じゃなくて正解だったって凄く思うよ!あ、そうだ、写真撮ってあげるね。ほら、並んで並んで!」
「え、あぁ。って、花陽は写らなくていいのか?」
「いいのいいの!ほら
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