言の葉 【ひまわりヒナ】
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結成させるそれにまで至る事ができたのです。
けれど私の中ではそれは完全なものとはなっていませんでした、彼について欠けている部分が多かったからです。
それでもそんな疑問を残して、時間はどんどん過ぎ去って行きました。
穂乃果ちゃんが生徒会長になったり、2度目の合宿を行ったり、新しくできた曲ユメノトビラを披露して予選を突破したこと。色々なことが目まぐるしい程起こりました。
しかし、やはり解けないのです。私の中で、いや2人の中で大きな疑問の1つがずっとずっと、解かれようとしない。大きな疑問の1つがずっとずっと、解かれようとしない。
いえ、本当は私は……私達は……
そんな時です、「文化祭に行こう!」と彼女が言い出したのは。
彼の学校の文化祭は予選が終わった後である事は、学校の名前を知っていたので既に調べてありました。
前に考えたサプライズ、それを行おうと私たちはしたのです。
そして等々その日がやってきました。
その日は雲がかかっていて、降水確率も高くいつ雨が降ってもおかしくない、暗い天気。せっかくの文化祭なのに残念だな、そんな気持ちと同時に何か嫌な予感がしてたまらなかった事を今もよく覚えています。
しかし私はその予感は何かの勘違いだろう、そう思い、彼女と共に彼の学校へ向かいました。
名高い有名校であるそこは、設備も充実していて何も情報なしであれば探すのには苦労するだろうと思いましたが、1年生のクラスに行けばいつかは見つかるだろうと思い、文化祭の雰囲気を楽しみながら彼を探していました。
しかし全部のクラスを回っても彼の姿はどこにもありませんでした。
では部活?そう考えましたが、彼は部活に入っていないというのを聞いていたので、その選択肢はありませんでした。
だとしたらあぁ、彼も文化祭を今回っているのか、その考えに至るのは自然でしたが、何かがその私の考えを止めようと必死になっていたのです。
それは本当に?それは間違いなのでは?
考えとしては正しいはずなのに、それを肯定し彼を探しに回ろう、そんな簡単な提案を出せなかったのです。
「……行こう」
彼女は静かにそう言って私の手を引っ張り、学校から一緒に出ました。
私はこの時、何故学校から出たのかということではなく、彼女も私と同じ何かの違和感を覚えたのだと考えていました。
彼女と考えは一緒、しかし行動に移す点だけは違いました。
私達が向かったのは、彼の家でした。
しとしとと小さな雨粒が落ちてくる中、傘を閉じて持ちながら、そっとインターホンを鳴らしました。それに対応してくれたのは、彼のお母さんでした。
「今、あの子はこの家には」
「突然すいません、でも知りたくて!彼は、あの高校に……ちゃんと合格できたん
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