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暁ラブライブ!アンソロジー【完結】
言の葉 【ひまわりヒナ】
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にはありませんでした。

 私はその時3人の事が心配でしたが、同時に彼の事も心配でした。
 というのも、再び今の事態に責任を彼は感じていたからです。
 確かに彼はいつもμ'sの側にいてくれて、ずっと力を貸してくれていて、皆の補佐として存在し続けた彼。それに彼が思いやりのある人物であることを知っている私は、そうなってしまうのも無理はないのかな、と思いながらも、何か引っ掛かりを感じていました。

 そして彼の事の様子を心配した私は幼馴染である彼女と話をしました。
 彼女もやはり心配していました。しかし少し、私とは違いました。

 彼女はふと言ったんです。

「時間、かな」

 私は何のことだか分かりませんでした。
 しかしその言葉のおかげで、何かが分かりそうな、そんな予感がしたのも確かでした。
 そしてその答えを自分で見つけるよりも先に、彼女は言葉にしてくれました。

「一緒にいてくれる時、少し思ってたんだ。自分の時間をちゃんと過ごしてるのかなって」

 その言葉を聞いた時、すぐに言葉が出せませんでした。
 私の頭の中が一気に動き出し、今までの記憶を引っ張り出して、彼との記録を改めて振り返りました。

 練習の記録やサポート、学校以外の活動への参加、ほぼ毎日の電話、勉強の補助。
 彼が私達にもたらしてくれたモノを思い出すと、あることに気づきました。

 あまりにも彼は私達といすぎだと。

 そうか、時間。彼は彼の為の時間をどこで使っているのだろう?学校にいる時以外を除けば、彼はいつも私達と共にいる。じゃあ彼はどのタイミングで自分のことをしているのだろう?
 そして私は、そんな単純なことを何で気付けなかったのだろう?

「大丈夫だよ。彼なら上手く、やってる」

 あれ、私は何でこんな言葉を口にしたのだろう。
 いくらなんだって時間を使いすぎだ、何か裏があるそんな気がする。でも何で、私は話題をそこで終わりにしようとする?何故私は彼女にそんな言葉をかける?

「うーん、そうかなぁ。まぁ考えても今は分かんないや、今日はお休みー」
「う、うん、お休み」

 電話を切って、少し息を吸って、冷静になって考えた時、私は気付きました。
 私は気付けなかった事実を受け止められず、気付けた彼女に少し嫉妬していたんだって。私が先に彼の本当の気持ちに気付いてあげたい、その為にこれ以上彼女を核心部分まで進めたくないという気持ちが僅かにあったんだって。
 私よりも彼女の方が彼の事をよく分かってるんじゃ……そんな不安な気持ちになるのには十分だったのです。




 結局彼の事は分からないまま時間は過ぎ、気が付けば穂乃果ちゃんとことりちゃん、そして海未ちゃんはいつも通り仲良しに戻っていました。再び、μ'sを
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