言の葉 【ひまわりヒナ】
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持ちは無くならない。
その気持ちを静かに抱えながら、私は過ごしていました。
μ'sの方は好調でした。
ダンスも歌も完璧、皆の息も合っている。これならいける、これなら問題はない。そう思っていましたが……
悲劇が起こりました。
「穂乃果!」「穂乃果ちゃん!」
私達のリーダー、穂乃果ちゃんが。
ライブを終えたと同時にその場で倒れてしまったのです。海未ちゃんもことりちゃんも皆すぐ様駆け寄りました。
そのライブ会場にはサポート役として欠かせない存在になってきていた彼の姿もありました。
しかし穂乃果ちゃんが倒れた時、近くに彼の姿はありませんでした。私は穂乃果ちゃんが保健室へと運ばれるのを見届けた後、すぐに彼の姿はどこだろうと視線を動かしました。
彼はライブを見ていた時と同じ場所にいました。
大雨の中、傘から手を離し、びしょびしょになりながらも、ただただその場に立っているだけの彼が。
その姿はまるで魂が抜けたようでした。
私は心配になってすぐに駆け寄りました。
「だ、大丈夫?」
私が最初にかけた言葉に彼は反応しませんでした。
ただただ視線をライブのステージに止めたまま、彼だけ時が止まっていたかのようで、私はどうした良いのか、なんて声をかければ良いのかただただ焦るばかりで、私は彼の側でじっとする事しか出来ませんでした。
「君のせいじゃないよ!!」
そう言ったのは、少し遅れてやってきた、私と彼の幼馴染。
その時私は分かったのです、あぁ、彼は責任を感じていたんだ。皆のサポートを一生懸命していたから。
……いや、そんな事はなんとなく分かっていたはずなんです、本当に私が分かった事は、彼にかけて上げるべき言葉はなんだったのかという事。
私はすぐにかけてあげるべき言葉を彼に伝える事が出来ませんでした。
この時、私の目に映っていたのは雨の中にいる2人の姿だけでした。
学園祭での悲劇、それが起きてしまった事を重く見た私達はμ'sの活動を停止しました。
ラブライブのランキングに載っていたμ'sの名は消えました。
けれど同時に良い事もありました。廃校の阻止に成功したのです。そう、μ'sの目的を達成することができたのです。
あの出来事でショックを受けていた穂乃果ちゃん、そして彼もその事を本当に喜んでいて、μ'sの活動は停止してしまったけれど、とりあえず前を向いて歩いていけるかもしれない。
けれど問題がすぐに起こってしまいました。それはことりちゃんの留学の話が出ていたことでした。
彼女の異変に気付くことができなかった穂乃果ちゃんは一気にやる気を失ってしまい、その事から海未ちゃんとも亀裂が起き、いつも仲良しだった3人はの姿はその時
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