暁 〜小説投稿サイト〜
暁ラブライブ!アンソロジー【完結】
言の葉 【ひまわりヒナ】
[4/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 この合宿、その目標はもちろんμ'sの強化合宿。その上で1つ、議論が起こりました。
 それは彼を連れて行くかどうか。
 その時私の思考はその事のみで埋め尽くされました。

 一緒に行きたい?、もちろん一緒に行きたい。
 彼といると楽しい?、もちろん楽しい。

 だったら私が主張すべき事は
 ????彼と一緒に行きたい。


  け れど、けれど?


 少し怖い、何が?
 分からない、いや分かってる。

 昔から怖い、そう昔から怖い。
 誰かに彼が、取られてしまうんじゃないか。
 だから、私は、



 その可能性を少しでも無くしたい。



「一緒にいると楽しいから、連れて行きたい!」「勉強!い、忙しいんじゃ、ないかな」

 彼女と発言が被りました。その発言の内容は全くの逆方向でした。
 彼女は素直な気持ちをそのまま、ただそのまま声に出す事ができていた。

 私は、その気持ちに、嘘をついた。

 同じ方向を向いているはずなのに、私達のとる行動は逆方向を向いているんです。

「……確かに、それもそうだね」
「あ、え、っと、ご、ごめんね。せっかく楽しい気持ちを」
「ううん、悪くないよ!それにちょっと我儘過ぎたっ!」

 私はこの時ある事に気付きつつありました。
 あるビジョンがうすらうすらと見えていたんです。

 そのビジョンはまるでパズル。
 少しずつ私の中で埋められていくパズル。
 そこにあるのは既に出来上がった彼の姿と、まだ埋められていない彼の隣。

 彼の隣にいるのは、いるべきなのは????誰?




 結局彼は不参加で合宿は終わった。
 もっとも何にも連絡なしにというのは、可哀想なので予め参加する意思があるかどうか連絡をしたところ、用があって来れないという事だったので、少し言い方は悪くなりますが結果として都合が良かったのです。
 兎にも角にも、合宿を終えた私達が次に目指すのは学園祭でした。
 オープンキャンパスとは違うイベント。これもまた知名度を上げるためにはこの上ないチャンス。
 その頃には彼はμ'sにとって欠かせないサポート役として、皆の信頼を得るほどになっていました。
 それもそのはずで、毎日のように郊外での朝練は来てくれるし、歌やダンスの評価を素人とは言え、必死に勉強して気付いた点などを言ってくれたし、時には勉強や愚痴、色々な話にも乗ってくれている。
 間違いなく10人目と言えるような存在。
 私はとても嬉しかったです。

 彼がいつも笑っていてくれるから、
 笑わせてくれるから、
 力になってくれるから、
 いつも側でずっと側で見守ってくれているから。

 私にはそれで十分……なはずなのに、もやもやした気
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ