言の葉 【ひまわりヒナ】
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この合宿、その目標はもちろんμ'sの強化合宿。その上で1つ、議論が起こりました。
それは彼を連れて行くかどうか。
その時私の思考はその事のみで埋め尽くされました。
一緒に行きたい?、もちろん一緒に行きたい。
彼といると楽しい?、もちろん楽しい。
だったら私が主張すべき事は
????彼と一緒に行きたい。
け れど、けれど?
少し怖い、何が?
分からない、いや分かってる。
昔から怖い、そう昔から怖い。
誰かに彼が、取られてしまうんじゃないか。
だから、私は、
その可能性を少しでも無くしたい。
「一緒にいると楽しいから、連れて行きたい!」「勉強!い、忙しいんじゃ、ないかな」
彼女と発言が被りました。その発言の内容は全くの逆方向でした。
彼女は素直な気持ちをそのまま、ただそのまま声に出す事ができていた。
私は、その気持ちに、嘘をついた。
同じ方向を向いているはずなのに、私達のとる行動は逆方向を向いているんです。
「……確かに、それもそうだね」
「あ、え、っと、ご、ごめんね。せっかく楽しい気持ちを」
「ううん、悪くないよ!それにちょっと我儘過ぎたっ!」
私はこの時ある事に気付きつつありました。
あるビジョンがうすらうすらと見えていたんです。
そのビジョンはまるでパズル。
少しずつ私の中で埋められていくパズル。
そこにあるのは既に出来上がった彼の姿と、まだ埋められていない彼の隣。
彼の隣にいるのは、いるべきなのは????誰?
結局彼は不参加で合宿は終わった。
もっとも何にも連絡なしにというのは、可哀想なので予め参加する意思があるかどうか連絡をしたところ、用があって来れないという事だったので、少し言い方は悪くなりますが結果として都合が良かったのです。
兎にも角にも、合宿を終えた私達が次に目指すのは学園祭でした。
オープンキャンパスとは違うイベント。これもまた知名度を上げるためにはこの上ないチャンス。
その頃には彼はμ'sにとって欠かせないサポート役として、皆の信頼を得るほどになっていました。
それもそのはずで、毎日のように郊外での朝練は来てくれるし、歌やダンスの評価を素人とは言え、必死に勉強して気付いた点などを言ってくれたし、時には勉強や愚痴、色々な話にも乗ってくれている。
間違いなく10人目と言えるような存在。
私はとても嬉しかったです。
彼がいつも笑っていてくれるから、
笑わせてくれるから、
力になってくれるから、
いつも側でずっと側で見守ってくれているから。
私にはそれで十分……なはずなのに、もやもやした気
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