言の葉 【ひまわりヒナ】
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そしてまず最初に当たった関門は、オープンキャンパスでした。
学校、そして私達μ'sの魅力を伝えるにはこの上ない機会。ここを逃すわけにはいかなかったのです。
経験も能力も全てがバラバラな9人、けれどだからこそお互いがお互いに補い合って、高めていくことができる。それに私はそこに彼がいてくれる、それだけで何だか力が出す事が出来ました。もしかしたら他の皆にとっても彼というファンの存在が大きな力になっていたのかもしれません。
少なくとも彼女は、私と共に過ごしてきた彼女は、私と同じだったはずです。
勢いに乗っていた私達は時間がない中、なんとか無事にオープンキャンパスを大成功で飾ることが出来ました。
けれど、その裏で。
「そう言えば、文化祭とか何時なの?そう言えばクラスは?君の活躍もすっごく見たい!」
「ぼ、僕の?あー、止めといて、僕は特に何もしないから」
「えー嘘だー!」 「本当に何もない、それよりそっちの方が重要だろう」
彼女は何度か問い詰めました。けれど彼は意地でも話さない気なのか、頑なに語ろうとはしませんでした。
何でだろう?と彼がいなくなった後、私達は話しました。
「きっと恥ずかしいんだよ」
「ふふ、そうだね。クラスは分からないだろうけど、何時やるかは調べれば分かる事だし、サプライズって事でこっそり覗きに行こっか」
「ナイスアイデア!楽しみだね?!」
今思えばこの時に気づくべきだったんです。
私達は長年一緒に過ごしてきました。お互いに知らない事はないと言えるぐらいに、長い長い時間を。
隠し事をする事もほとんどありませんでした。プライベートに過度に干渉する事はお互いに嫌な気持ちになるかもしれないからやめようと、でもそれ以外は全部話せる、そんな関係でいよう。
そう、約束したんです。約束できたんです、私達は。
だから気づくべきだったんです。
彼が隠そうとしているのは、恥ずかしいから、そんな単純な理由じゃないという可能性に。
オープンキャンパスのライブは見事に成功。
その成果は廃校の先延ばしと同時に見直しが行われるというもので、全員で喜び合いました。
もちろんその中には彼の姿もありました。
彼は私達をとても祝福してくれて、昔から少し涙腺が弱いせいか、涙を流しながら本当に嬉しそうに祝福してくれました。
私はそんな彼の純粋で、素直なところに再び惹かれていましたが、その気持ちを隠して同じように泣いて笑っていました。
さらなる強化を目指すべく、私達は合宿を行う事にしました。
行先は同じ1年生で親友、西木野真姫ちゃんの別荘。お金持ちだとは知っていたけれど、ここまで!?という印象を受けた事を今でも昨日の事のように覚えています。
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