163部分:第二十一話 火の軍団その四
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第二十一話 火の軍団その四
「それが我等の絶対の掟だ」
「確かに我々はこれで終わりだ」
このことは認めるしかなかった。今の彼等では。
「しかし。それでも」
「我等の同志がいる」
彼等がいるというのだった。
「必ずこの仇を取ってくれる」
「冥界で待っている」
そのハーデスの治める世界である。アーレスと親密な関係にあるとされている数少ない神でもある。
「またそこで戦おうぞ」
「楽しみにしている」
こう言い残して事切れる二人だった。こうしてまずは二人倒れた。しかしであった。まだ狂闘士達は健在であり彼等はそれぞれの岩山の上で赤い戦衣と彼等自身の目を輝かせていた。
「まさかあの二人が敗れるとはな」
「予想外だったな」
彼等はそれぞれシュラを見下ろしながら言ってきた。
「だが。それでもだ」
「二人の仇は取らせてもらう」
彼等はシュラに対して言うのだった。
「今ビルフォードが言った通りだ」
「それがこの狂闘士の掟」
やはり彼等もこのことはよくわかっているのだった。
「ここで貴様を倒す」
「何があろうともな」
「ならば来るのだ」
シュラは彼等に目を向けることなく告げた。
「このシュラ。逃げも隠れもしない」
「流石に黄金聖闘士と言っておこう」
「敵に背は向けないということか」
「背を向ける必要もない」
上を見上げることもしなかった。彼等がいるその上をだ。
「何故なら貴様等は皆このシュラに倒されるからだ。今からな」
「ならば参る」
「覚悟するがいい」
今のシュラの言葉を受けて七人が一斉に降り立った。七つの禍の星達がシュラを取り囲んだ。
「我等全員を一度に相手にするならば」
「必ずや後悔することになる」
「果たしてそうか」
シュラは彼等を前にしてもまだ落ち着いたものであった。
「このシュラを貴様等で倒すことができるか」
「ビルフォードが言った筈だ」
狂闘士の中の一人が言ってきた。赤い戦衣の中で目だけが不気味に光っている。
「狂闘士は同志を倒した者を何があろうとも倒す」
「それが我等だ」
言いながらシュラとの間合いを狭めようとする。
「それだけだ。行くぞ」
「ここで」
「来い」
今まさに闘いが再びはじまろうとしていた。
「バドとビルフォードの仇」
「取らせてもらうぞ」
今両者の闘いがはじまろうとしていた。しかしだった。
「待ってもらおうか」
「何ィ!?」
「この小宇宙は」
狂闘士達は突如として感じたそのあまりにも強大な小宇宙に対して声をあげた。
「カプリコーンと同等、いや若しかするとそれ以上の」
「この強大な小宇宙は」
それぞれ感じ取りながら驚きの声をあげるのだった。
「まさか、もう一人来たというのか」
「黄金聖闘士が」
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