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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第二十二話 話合い
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顔をしている榛名に紀伊が説明した。まだ対立しあっていない若しくは対立を望まない艦娘は多くいる。そこで彼女たちを呼んで打開策を考えたかったのだと。納得した榛名も加わってそれから彼女たちはひとしきり現在の状況を話し合った。
「単純な対立じゃないから、始末に負えないの。」
いつにない沈痛な顔をしているのが高雄型重巡の次女愛宕だった。
「高雄も麻耶もあれ以来ずうっと部屋にこもりがちなの。戦艦や空母の先輩方とは口を利かなくなったわ。どちらかといえば軽巡や駆逐艦の子たちと一緒にいるようになったかもしれないわね。」
「私たちのところはそれほどでもないですけれど、矢矧が尾張さんの話を聞いて猛烈に怒って抗議しに行きました。まぁ・・・結果はお判りでしょうけれど。」
と、能代。
「阿賀野姉と酒匂が矢矧を抑えにかかっていますけれど、それもあまり持たないかもしれません。」
「飛龍、蒼龍、そして大鳳さんは特に何も。あの人たちはこういうことをあまり気にしないタイプの人たちですから。」
と、赤城。
「お恥ずかしい話ですが、同じ空母の一翼を担うのに、尾張姉様ときたら――。」
「最悪だよね。」
近江と讃岐が浮かない顔をしていた。
「私のところは野分や朝雲たちが反発してるなぁ。」
と、舞風。
「ただのお荷物と言われたのがよっぽど気に食わなかったんだなぁって思うよ。」
「私とてそれは同じだ。だが、それを反発の形であらわそうとは思わないな。」
磯風がため息交じりに言った。
「皆さんの前でこんなことを口に出すのは恥ずかしい次第ですが、私たちのところもそうです。妹の武蔵が主力艦隊決戦主義を露骨に掲げてきています。つまり・・・戦艦こそが海戦の主力だと。これまでそんなことは口に出してこなかったのに。」
「長門はそれほどでもないわ。ただ、いかにして各艦娘をまとめ上げるか腐心しているといったところね。今日は大淀さんと一緒に提督方とそのことについて秘密裏に話し合っているわ。みか・・・・葵さんも交えてね。」
陸奥が咳払いして報告を締めくくった。葵の正体については、まだ艦娘に漏らすには早すぎると思っている。葵自身は自分を梨羽 葵として接してほしいと望んでいた。連合艦隊総旗艦といっても、1万5千トンであり、前弩級戦艦にも及ばない級である。そのような立ち位置の自分が、歴史的勝利を収めた栄光ある連合艦隊総旗艦というだけで艦娘たちに号令を下すことはバカバカしいと言っている。
 陸奥はそれについては、少し考えすぎではないかと思わないでもなかったが、葵の言う通り黙っていることにした。それよりも今は目前の火種について、だ。

つまるところ、正規空母を除いては各艦娘どうしは対立しあい、いたるところで火花を散らしている、ということになる。

「このままでは沖ノ島から先へ進むことはおろか、
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