第二十二話 話合い
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これを壊滅させた。そして余裕をもって本隊を待ち受け、つかず離れずを保ちながら敵を翻弄し、第五航空戦隊の艦載機隊と協力して陣形を乱さしめた。ついで第五航空戦隊から発艦した攻撃隊が敵艦隊に雷爆撃を敢行し、大打撃を与えると同時に伊勢・日向の主力艦隊の砲撃、由良達水雷戦隊の雷撃という3方向からの包囲連携攻撃によってとどめを刺された。当初の予定では殲滅戦を予定してはいなかったのだが、結果として敵艦隊のほぼ全艦隊を撃沈したという。わずかに重巡1隻、軽巡1隻、駆逐艦2隻が逃亡を図ったが、それも後に佐世保鎮守府の哨戒部隊によって撃沈されたそうだ。
負傷者はほとんど出ず、むろん轟沈した艦娘は一人も出なかったという。
だが、加賀の前では榛名はそのことはおくびにも出さなかった。代わりに
「何をなさっているんですか?」
「今横須賀鎮守府で起きている軋轢について話していました。」
赤城が言った。榛名もそれを知らないどころではない。何しろついこの間間宮で尾張が麻耶と高雄に高飛車な口を叩いたところに居合わせたのだったから。あの後はさすがにお茶にする気分にもなれず、3人と近江、讃岐は早々に間宮を出た。その後色々と相談したのだが、良い解決策は思いつかなかった。ただ、別れ際に紀伊がまだあきらめず、もう一度考えてみる、何かあったら連絡すると言っていた。その答えが今日の集まりなのだと榛名は納得する思いだった。
「すみません・・・私の妹がいたるところで問題を起こしているようで。」
紀伊が申し訳なさそうに頭を下げた。
「あなたに謝ってもらっても事態は何も変わらないわ。」
加賀が乾いた声で言った。
「そして問題はあなたの妹のせいばかりじゃない。もともと艦娘の間には表面に出ないだけで各艦種同士の対立はあったのだから。あなたにも記憶があるんじゃない?最初呉鎮守府に着任した時に。」
紀伊にとっては最初の最初のころの出来事だ。あの時は自分がどの艦種なのかもわからず、ウロウロしているだけだった。自分の受け入れ先を巡って各艦娘がもめにもめたことも後で聞いて知っていた。その後は対立の火種などまるでなかったかのような和気あいあいとした雰囲気だったが、後でそのようなことがあったのだと瑞鶴たちから聞かされた紀伊は驚くばかりだった。
「それが、今度のことで一気に表面に現れたのですね。今こそ全員が結束しなくてはならない時だというのに・・・・。」
赤城がと息を吐いた。
「でも、まだ間に合います。」
榛名が両こぶしをぎゅっと握りしめて言った。
「今だってこうして戦艦の私、正規空母の赤城さん、加賀さん、そして空母戦艦の紀伊さんが話し合っているじゃないですか。」
「私たちだけじゃないわ。」
加賀が言うのと同時に、また新たな艦娘たちが失礼します、という言葉と共に部屋に入ってきた。不思議そうな
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