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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十五話 転生者たちが対面します。
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ュヴァイク公とリッテンハイム侯がこもごも進み出て自由惑星同盟の評議会議長と握手するところが見えた。一斉にシャッターが切られ、フラッシュが晴天の空に光を放つ。正装した子供たちが進み出て、ブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯に花束をささげた。これには二人とも驚いたらしい。何しろ平民から物を直接手渡しでもらうなどという経験をしたことはあまりないのだから。
 一瞬二人は「どうするか?」というように顔を見合わせたが、覚悟を決めたのか、ぐっと詰まった表情ながらぎこちなくそれを受け取った。会場に居合わせた人々はそれだけで「おおっ!?」というどよめきを発した。

 無理もないことだわ、とフィオーナは見ながら思っていた。先ほどの握手もそうだったが、何しろ「大貴族の長」が「奴隷」の子孫から手と手で物を受け渡されたのだ。本来帝国にあっては絶対にありえない事だった。そんなことをすれば「奴隷」側は捕えられて間違いなく拷問にかけられるか、運が良ければ、殴りつけられて終わるか、どちらかだろう。
「どうもブラウンシュヴァイク公やリッテンハイム侯はこの世界では尊大さは変わらないけれど、全くの無能ではないようね。それとも原作OVAではそのような描写はされなかっただけかしら。」
イルーナがそっとフィオーナにささやいた。
「ええ。そう思います。これは敵に回したときにどうなるか・・・・。原作OVAではラインハルト側は勝利を収めましたが、教官のおっしゃる通り案外その文章の外での攻防戦はすごかったのかもしれないですね。」
「まったくだわね。」
二人が見ているさ中、ピエール・サン・トゥルーデに促されたブラウンシュヴァイク公とリッテンハイム侯は共に肩を並べて迎賓館に案内されていく。ミュッケンベルガー元帥以下の随行者たちも同様だ。ラインハルトとイルーナを案内してきた自由惑星同盟の軍人、官僚、政治家たちも二人を促した。
「どうぞこちらに。随行の方々もご一緒に入られてください。」
ラインハルト、イルーナ、フィオーナ、キルヒアイスはそろって中に入っていった。今日は会議は行われず、歓迎の式典、そしてパーティーが催されることとなっていた。交渉というのはそう焦ってやることではない。この交渉で最も奇妙な点は、両者が妥協できる可能性は限りなく低いということを双方、そして仲介代理役であるルビンスキーまでもが認識していることであった。そのルビンスキーは一足先に到着して迎賓館の中に入っているようだと案内役のピエール・サン・トゥルーデ議長が説明していた。
「ルビンスキー?」
そうか、まだ二人は知らなかったのだわね、とイルーナは不思議そうな顔をしているラインハルトとキルヒアイスを見た。
「アドリアン・ルビンスキー、別名フェザーンの黒狐。・・・・要注意よ。まるでゲームのように帝国自由惑星同盟双方を手玉に取り
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