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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十五話 転生者たちが対面します。
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。」
「私たちはあなたを助けたいと思っているのであって、あなたにどうこうしなさいと言える立場ではないということをつい忘れそうになるのよ。それを自戒しただけのことよ。」
「そのことでしたら、お気になさらないで下さい姉上。確かにイルーナ姉上たちの補佐は私も望んでいるところですが、私は私の道を進むまでです。誰かに左右されたり、意見をうのみにすることなどあってはならないと思っています。自分自身の足で立ち、自分自身の考えと責任で歩み続けることこそ、一人の人間としてあるべき姿だと思っておりますから。」
ラインハルトを見返すイルーナの眼は、一瞬アンネローゼ様に似ているな、とフィオーナもキルヒアイスも思った。それほど彼女の眼は弟を見る様な慈愛と思いやりに満ちていたのである。
「ラインハルト、今の言葉を忘れないでいてね。」
イルーナがそう言ったところで、車のスピードが落ちた。
「どうやらあれが、迎賓館のようですね。」
フィオーナが視線を向けた先には、アメリカのホワイトハウスのような純白な左右対称の建物が広大な庭に囲まれて立っていた。


迎賓館前に到着し、一歩車を出たラインハルトたちは聞きなれた演奏を耳にして驚いた。なんと帝国の「ワルキューレは汝の勇気を愛せり」の演奏が自由惑星同盟の軍楽隊によって奏でられていたからだ。ほぼ同時に到着したブラウンシュヴァイク公やリッテンハイム侯もこの演奏を聞いて流石に驚きを隠せないでいる。自由惑星同盟政府首脳陣と帝国和平交渉使節との本格的なファーストコンタクトはこのようにして始まったのだった。
「ようこそ!自由惑星同盟の迎賓館に!」
高らかに舞台俳優のような物腰であいさつしたのは、自由惑星同盟の評議会議長、ピエール・サン・トゥルーデだった。これまでの長期政権をずっとになってきた人物で、之と言って突出した経歴はないが、抜群の安定感を誇ると皆に言わしめている。見る者を和ませる群青色の瞳、柔らかな透き通るようなオールバックの金髪、柔和な微笑、43歳という働き盛りと落ち着きを兼ね備えた年齢、整いすぎてはいないが、美男子の部類に入る甘いマスク、そして聞く人を引き付ける声優のような個性的な深みのある声、これらの小道具は、持つ人が持てば持て余してしまうだけの余計なものだったが、ピエール・サン・トゥルーデにかかれば「人間性」という武器に早変わりし、近づく者を魅了してやまない。
「まるでヨブ・トリューニヒトをもっと素直にしたような感じですね。」
と、フィオーナがイルーナにささやいた。
「あら、ヨブ・トリューニヒトだって、OVAの外見上は素晴らしく誠実で有能な人だったわ。フィオーナ、気を付けるのよ。人は見かけによらないという言葉は、数々の悲劇の上に成り立っているのだから。」
「はい、教官。」
フィオーナがうなずいたとき、ブラウンシ
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