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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第五十五話 転生者たちが対面します。
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この建物一つとっても帝国は自由惑星同盟に後れを取っている。Aという行為を禁止するということは、そのAにかかる技術を停滞させ、技術の発展等を妨げてしまう副作用を持つ。まったく、専制政治というものは行き過ぎた場合にはロクな結果をもたらさないという良い例だな。」
ランド・カーに乗り込んだ際に、イルーナとフィオーナ、キルヒアイスは徹底的に盗聴器の存在を探ったが、出てこなかった。だからこそこうして気の置けない会話ができるのだ。4人が乗っているスペースは完全な防音処理が施されていて運転手や護衛役には一切話が聞こえない。
「自由惑星同盟が政治的にも経済的にも停滞しているという話はわたくしも聞いております。ですが、こうしてみると一人の人間の血筋とその取り巻きによって支配される国家と比べ、開放感があるようではありませんか。」
キルヒアイスが窓の外を通り過ぎていく超高層ビル群やしきりに飛来していく大小の飛空艇、車などを見ながら言った。帝都オーディンと比べても物流や人の流れなどに活気があるのが伝わってくるのだ。
「残念ながら、それはうわべだけの話だと思うわ。」
イルーナが言った。
「確かに民主政治は専制政治よりも『自分たちで政治を動かす。』という意味において優れているでしょう。私は『原作』を読んで知っているから言えるのだけれど、今の自由惑星同盟では『他人任せ。政治的な無関心。』が国民を支配しつつあるわ。帝国の専制政治においてはそれで足りるでしょう。何故なら貴族や主要官僚たちが勝手に政務を動かし続けているから。でも、この自由惑星同盟においては、国民は『乗客』ではないのよ。あくまで『船員・乗員』としてこの星々の大海に浮かぶ『惑星』という船を動かし続けていかなくてはならないのだわ。船員が一人欠けても船はうまく航行できない、そんな気構えをもって、ね。」
「なかなかうまいたとえですね、どんなに肥えた新鮮な土壌も手入れを欠かさぬように心がけていなければ、いつかは荒地同然になり、植物が育たなくなる、といったところでしょうか。」
ラインハルトの言葉に、そのとおり、とイルーナはうなずいて見せた。
「ですが、イルーナ様、わたくしには自由惑星同盟の建国理念とその政治的な運営体制は学ぶべきところがあるように思うのです。」
キルヒアイスの眼はまっすぐだとイルーナは思った。他人の、他国の欠点を思うよりも、むしろ長所を見出し、それを最大限学び、活かす方法を模索しようとしている。私も見習わなくてはならない姿勢だわ、とイルーナは感心してみていた。
「キルヒアイスのいう通りね。自由惑星同盟には確かに学ぶべき点はあるわ。私たちが将来ラインハルトを補佐する際に、今の帝国の制度を解体し、ゆくゆくは・・・・いえ、ごめんなさい。」
イルーナは突然言葉を切った。
「なぜ話をとめるのですか、イルーナ姉上
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