爆裂錬金釜
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か。エルトが撃沈していたが、何でも兵士としてトロデーンにいた時からトウカの父が恐ろしすぎてそういう話をシャットアウトしていたのにそれを無駄にしたら殺される、と。
その時はまだ性別のことを知らなかったが、曰く乳はでかい方が好きだと。……ヤンガスの方を見ながら言っていたからおそらく大胸筋の話だろうと思う。箱入り娘はゼシカに怒られないようにねと爽やかに去っていったが、多分夢か希望を抱くだけ無駄なんだろうよ。
だからこそ頼んだら爽やかにぱふぱふしてくれねーかな……。おいおいゼシカ、冗談に決まってるだろ。案外俺は太もももいけるってことを言っていなかったか?……挟まれたら首がもげるねと邪気たっぷりに言ったエルトを許しはしない。
「ライデインと正拳突きってどっちが痛いかなぁ。ライデインは内臓が生焼けになって正拳突きは内臓破裂なんだけどさ」
「両方食らわせておけば話は早いでがすよ!」
「あんたたち、やめなさいよ。だいたいその時になったらトウカが真っ先に挑むでしょうし」
「それもそうか」
「そうでがすね」
強い人ってかっこいいよね!とトウカの幻覚が見えたが、そこはそれ、俺にはベホマがあるからそこそこ太刀打ちできると信じたい。だからお前らそんなに哀れんだ顔をするんじゃない。
「一つできたーっ!」
一撃で倒されたら意味がないって言ったのはエルトだよな?あとで宿裏に来いよ。分かったな?
エルトはともかく楽しそうなトウカの声が近づいてくるのが気になる。さっき見た時は到底錬金釜に入らないサイズのテンペラーソードと鋼の盾を押し込んでいたり、ステテコを五つもぶちこんだりしてたからな……一応警戒だけでもしておくか。
「あ、ククールちょうどいいところに!」
鎧らしきものを掲げて走ってくるトウカがぴたっと俺の前で足を止める。今日も元気そうで……それは何よりだ。むしろ元気すぎだ。何よりなんだが。
「これ、素肌に着る鎧なんだけどさ!」
「……却下で」
「だよねー!ククールがこんなの着たら笑い止まらないもん。じゃ、次行ってみよっと」
ぽーんとそこらに哀れにも放り投げられたのはダンジングメイルという鎧らしい。装備可能者は無慈悲にも俺だけ。なんとも下せないことにひらひらの布のついた部分が妙にマッチしている。
「これっ……回避率が上がる鎧だってっ……」
「笑いこらえながら言うな」
エルトが木の棒で突っついている。エルトって……案外失礼なやつだよな。爆発軟化完成した鎧がするわけないだろう。あと俺がそれを着るわけもないだろう。ちらちら見るな。
ひらひら似合うよとか言ってるが笑いたいだけだろお前。当事者じゃないからってヤンガスは地面を叩きながら笑ってやがるしゼシカは……目をそらさないでくれ。
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