爆裂錬金釜
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錬金釜とは。名ばかりの自動アイテム生成装置のことだよね。何故って?錬金釜で金なんて錬金できないんだよ!錬金とはこれ如何にと思わないでもないけど口に出したら不敬だから言わない。そこら辺は私、臣下なので!
もっぱら万能薬練成装置扱いのそれは今もぐつぐつ薬草をどうやってか赤い玉に変えている最中。化学も真っ青な魔法的な力って面白いね!
「これ、ちょっとぐらいなら別の使い方しても、いいよね……」
万能薬は一応エルトにヤンガスに私が溢れんばかりに所持してるんだ。でもさ、流石はククール、仕事をきっちりこなすデキる男っていうのは容姿だけじゃなくてホントでさ、ちっとも使ってないし。予備がたくさん錬金釜の隣に山積みだし。
よーし、怒られないよね。今日は陛下と姫は不思議な泉で過ごされるらしいから私すっごく暇なんだ。あそことっても安全な上に私、入れないからね。だからこれで遊ん……いろいろ試してもいいはず!
使うものは私物ともう誰も使ってない装備、それから余ってる物。これなら誰の迷惑にもならないさ。最悪自分のお金で弁償するから許して欲しいな!じゃ、錬金キャンセルっと。
カポっとごとごと揺れる釜の蓋を開ければポーンと飛び出してくる特薬草二個。新鮮とは言い難くて少ししなっとしてるような……?ま、錬金途中にいきなりやめて原型を留めてる方がびっくりなんだけどさ。それは今いいや。
さってと。いつもお世話になってるククールに装備を作ってあげようかな?どうせなら回避率が上がるヤツとか良くない?それともヤンガスに斧?ゼシカに杖?エルトに兜でもいいし、トーポにチーズでもいいかも。それか、私の盾とか?
いろいろ想像出来て楽しいな。魔法を使わなくても魔法を使ってるみたいで、しかも錬金ってすっごく楽しいからいいよねぇ。完成させたかったら釜を背負って山でも登ればいいしね!
・・・・
・・・
・・
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ここはどこかって?まぁいいだろそんなこと。キリキリ進む事もあれば丸一日休んだりする俺達のそこそこある休日が今日ってだけだ。そして朝イチから馬車の中で錬金に大変励んでいらっしゃる剣士さんに気を使って俺達は大惨事に備えているってわけだ。
「あれ、何やってるのかしら?」
「さぁ……錬金でいろいろやってるみたいだけど。爆発させないって約束したから大丈夫だと思うよ」
「それ大丈夫なの?」
「何のためにフル装備で待機してると思ってるのさ?」
「……なるほどね」
別に誰も指示しちゃいねぇがなにか起こってからでは遅いというのがエルトの言葉で俺は心の底から同意したな。基本的に俺達は彼女を止めたりはしない。……止めることは出来ない。
今までに止めたのは特にやましい気持ちで始めた訳では無いくだらない猥談に入ってきた時ぐらい
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