第7話・悩みと誘い、そして戦闘
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入った。
ザッザッザッ...
靴が大地を蹴る音が響く。そして目の前には巨大な建物の影。もうすぐ出口だぜ。やったぜ。
「よし、フルスピードだ。」
そして速度のギアを上げようとした時、
『ゴッ...』
背中に何かが当たる様な感覚がした。
「...?」
仏頂面で龍哉が後ろを見たら、足元には金属バットが転がり、目の前には170~180のヤクザらしき野郎が3人居た。
「よう、やっと見つけたぜぇ。[賞金首]さんよォ!?」
その中のボス格がそう言うと、持っていた金属バットを舐め始めた。
「チッ...ツイてねぇ...」
龍哉は、そう呟きながら拳を握る。
「お前らァ!!このヒョロ長ロン毛ノッポ野郎の首差し出せば『嬢』から大量の金を貰えるぞ!!ブッ殺してやろうぜ野郎共ォ!!!」
「「ヒャッハァァァァァァァァァァァァ!!!!」」
距離は僅か数百メートル。ナイフやバットを持ち近付いてくるヤクザの群れの目の前で龍哉は、
「...お前ら、どうなっても知らねぇぞ。」
...と、苛立ちを込めた言葉を投げ、相手を睨み付けた。
普通の輩がこんな事をしても、何も変わらないだろう。しかし、彼の場合は...
___
「ブッ殺してやろうぜ野郎共ォ!!」
そう不良軍団の親玉が、自信と欲望にまみれた雄叫びを上げると、二人の子分が「ヒヤッハァァァァァァァ!!」と続いて雄叫びを上げた。そしてゾロゾロと近付いた時、龍哉が何かを小声で呟いてる様に見えた。
「ハハハハハッ!!!怖じ気づいてるじゃねぇかよ!!これは俺様達の勝ちだな!ハッハッハ!」
親玉が叫んだ時だった。
ピキィン。
急にその親玉は、背筋と自信が凍り付く様な感覚を覚えた。部下達も、同じ様に妙な感覚を覚えていた。
「お前ら..!?どうした!落ち着け!!相手はあのロン毛巨人1人だけだ!!倒すぞ!!」
と言った時だった。その親玉は、正面に立つ長身の男、剣谷龍哉から、恐ろしい殺気を垣間見た。否、見えてしまった。
目の前の男、剣谷は恐ろしい気配を纏っている。
パッと見は普段のあの野郎と同じだが、腕と脚の発達した筋肉に異常な程の血管が浮き出ている。それも、少し紅ずんで。そして、黒き髪から見える切れ長の目。俺様を睨み付けているその部位から、まるで殺気が具現化したかの様な黒い光が見えた。
その姿は、まるで黒き雷、否、その名の通り剣と龍を宿している様に見えてしまった。
しかし、こんなモン幻覚に違いねぇ。もしガチで強くても俺様達には3VS1だ!こっちが勝つ!これで勝つる!!
「怖じ気づくな!相手は一人だ!!行くぞコラァ!!」
叫びを上げ、親玉はナイフを構えながら突進した。手下も親玉の背中に続き、その男に襲いかかろうとした。しかし...
「...下らねぇんだよチビ」
そう呟き、同時にボゴォン!!
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