160部分:第二十一話 火の軍団その一
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第二十一話 火の軍団その一
火の軍団
ジークをはじめとした狂闘士達はグランドキャニオンにおいてとりわけ高い岩山の上にいた。そこに集まりそのうえで今後のことを話していた。
当然ながらその中央にはジークがいる。他の狂闘士達は彼を囲んでそれぞれ言葉を述べていた。
「インプ達の軍勢がまた全滅しました」
「カプリコーンのエクスカリバーにより」
「またか」
ジークはインプ達が敗れたという報告を静かに聞いていた。それだけだった。
「また敗れたのか」
「今回は包囲でしたがそれでも」
「あえなくでした」
「当然だな。剣はただ一閃させるだけではない」
ジークは既にシュラが何をしたのかわかっているかのようだった。
「乱舞させ。それによって断ち切ることも可能だ」
「はい、その通りです」
バドが忌々しい口調で述べてきた。
「カプリコーンはその剣を乱舞させそれにより」
「やはりそうか。それによってだな」
「一瞬でした」
バドはこうもジークに告げた。
「一瞬でエクスカリバーを乱舞させそれによりでした」
「あの男はただ取り囲んでもそれで勝てる相手ではない」
ジークは言った。
「数だけではな」
「勝利を収めるのは無理ですか」
「やはり。俺が行く」
今度の言葉はこうだった。
「このジークが相手をする。御前達は他の聖闘士と闘え」
「いえ、それは」
「ジーク様、ここは」
だが狂闘士達は今のシュラの問いには従おうとしなかった。それぞれ必死に拒む顔でジークの今の言葉に対して言い返したのだった。
「我等にお任せ下さい」
「カプリコーンの首。必ずや」
「取れるというのだな」
「その通りです」
「ですから」
「私もまた」
バドもまた前に出てジークに対して言ってきた。岩山の上に立つ十人の狂闘士達が動いていた。
「カプリコーンに対して雪辱を挑みたくあります」
「どうしてもか」
「はい、どうしてもです」
また答えるジークだった。
「どうかここは。狂闘士の誇りにかけて」
「狂闘士の誇りか」
この言葉を聞くとジークの態度が少し変わった。
「そうだな。それではだ」
「行かせて頂けるのですね」
「我々に」
「行くがいい」
静かに彼等に対して言うジークだった。
「御前達が行きたいのならな」
「有り難き御言葉。それでは」
「我等が必ず」
「行け」
今度のジークの言葉は先程のそれよりもさらに簡潔なものだった。
「そして必ずカプリコーン及び他の聖闘士達をだ」
「無論です。それでは今より残るインプ達を連れて」
「我等も」
彼等はすぐに姿を消し何処かへと向かった。後に残されたジークは一人岩山の上から荒野を見下ろしていた。荒野には底知れぬ崖と赤い
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