Side Story
少女怪盗と仮面の神父 29
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胸に一つ。
金色の星の上で二本の剣が交差する左胸の勲章は、騎士団員の証明章。
金色の盾に赤くて丸い宝石が埋め込まれた詰め襟の勲章は、隊長級の身分を示す。
つまり……
海賊なんてモノは、最初から存在していなかったのだ。
怪盗が押し付けられた『依頼』は、「彼女(ハウィス・あいつ・ヴェラーナ・騎士隊長)」と「彼ら(あいつら・アムネリダ達・騎士隊員)」による、シャムロック確保の為の自作自演。軍歌の通り、軍人が怪盗から秩序を護ろうとしていただけ。
扉一枚隔てて聴こえていた女性の声は、マーシャルの演技か。道理で、見覚えが無いのに知ってる気がした訳だ。
「で? 盗みを成功させた私は、シャムロックとして処刑されるまでアルスエルナ軍に勾留されてれば良いの? またイオーネ達に捕まらないよう、鎖で繋いでおく?」
「……イオーネ?」
動きを止めたクナートが、誰だそりゃ? と目を瞬いた。
「貴女方が先程まで掃討に出向いていた暗殺組織の現首領ですよ。私達が此処に来る前、マーシャルさんと交戦していました」
ミートリッテの肩へ両手を乗せた神父に
「「「はぁあああッ!!?」」」
男と女と子供が、間抜けな声で同時に叫ぶ。
「あっちゃあー……暫く構ってやれなかったしなぁ。ちぃと放置しすぎたか?」
「そういう問題じゃないでしょう!? 大人しくしてなさいと言ったのに、何をやってるのよ、あの子は!」
「いやいやいや!? マーシャルさんがどうこう以前に、さらりと物騒な名称が聞こえたんだけど!? 暗殺組織!? 山賊とか窃盗団じゃなくて!?」
「イオーネさん自身は元々一般の方ですよ。十三年前、バーデルの組織に拾われ、培った力で近年強引に首領の座を奪ったのだそうです」
「ご、ごうい……っ!? んな、余計に怖くなる情報寄越すなぁッ!」
力で、となると、前の首領は生きていまい。確かに危険な集団だ。
これが、バーデルの軍人が慌てて追い掛けて来た……自警団が村の人達に情報を伏せた理由。
自分は人殺しの頂点に立つ暗殺者相手に啖呵を切っていたのか。
そして、そんな相手にアルフィンが捕まっている。
……酷い現実に目眩がしそうだ。
「……十三年前?」
くらくらしてきた目元を押さえて下を向くと、ハウィスの硬い呟きが耳を突いた。
「ええ、十三年前です。だから、ミートリッテさんと……アルフィンさんが狙われた。貴女方が交わした賭けの詳細も知っていましたよ」
賭け?
「アルフィン!? じゃあ、奴らの本当の狙いは……!」
「ハウィス」
顔を上げたミートリッテを見て顔面蒼白でよろめくハウィスの肩を、クナートが支える。
「……予期せぬイオーネさん達の介入があったにせよ、シャムロックは無事「貴女の前に」指輪を届けてしまい
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