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俺の四畳半が最近安らげない件
泥レスの会場はどちらでしょうか。
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、ウチのポスターです」
レッツ泥レス!とだっさいキャッチフレーズの下で、艶めく泥の中、二人の巨乳美女が白い肌を汚してチョコレート色のビキニがはちきれんばかりに取っ組み合っている写真が。…ちょっとまてどういうことだこれ、これってもしかして…。
「はい、質問」
「はいどうぞ、糞ニートくん」
「殺すぞ。…この部屋に泥を撒くと、この娘たちが、この部屋で泥んこまみれになって組んづほぐれづするのか?」
場合によっては大いに話が変わってくるぞ!?場合によってはそう…俺は敷金を諦める。
「泥んこまみれになって組んづほぐれづするのは我々ですが?」
「うむ、帰れ」
我が同好会ではこのような啓蒙活動やイメージアップキャンペーンを!とか泥レスの魅力を是非!!とかまだ云い続ける4人を玄関の方に押し出していると、突然俺の…そしてこいつらの携帯がぎゅぃいいい!ぎゅぃいい!と異音を発し始めた。
「……これは」
「じっ地震だ!!地震来るぞ!!」
俺が叫んだ瞬間、ズズズズズ…と不吉な地響きが沸きたち、バウン!と床が下から叩かれたように撓んだ。
「そ…そ…外に!!」
「落ち着け中に居た方が安全だ!」
「そうだ!倒れてくるものは何もない!ていうかこの部屋何もない!!」
「悪かったな!!」
…まぁ、リーダーの云う通りで、1分程度揺れたが間もなく地震はおさまり、何も倒れてはこなかった。
「ビックリしましたねぇ」
「震度5くらいか?」
「直下型ですねぇきっと……………あ」


―――――あ。


足が妙に冷たいことに、気が付いた。
そして足元に転がる、巨大なバケツ。


俺の四畳半は、死海の泥に埋め尽くされていた。
「あーあ、こぼれちゃいましたねぇ」
「まさか地震が来るとはねぇ」
4人の変態はのろのろと泥を掻き集め始めた。俺は…ゆっくりと玄関に回り込み、奴らの退路を断った。
「さて……始めようか」
「え?…すみません、え?」
「……泥レス、とやらをだ」
「え?待ってください、え?」
俺はすっと腰を落とし、摺り足で奴らの脇に回り込んだ。


奴ら4人は、一瞬で泥に沈んだ。泥にまみれて転がる馬鹿4人に、俺は吐き捨てた。


「米処、魚沼の民を舐めんじゃねぇぞ。なにが泥レスだ、ど素人共が」


後日。
畳は奴らに弁償させた。後で聞いた話だが、『糞ニート』は上の階の住人だったらしい。どっちにしろふざけんな。天井から謎の泥が降ってくるとか寝覚めとしては最悪過ぎだろう。


そして俺は今、大変に困った立場にある。


あの日四天王(…?)を一瞬で葬った俺は泥レス同好会で『レジェンド』と呼ばれ、崇拝されているらしいのだ。時折泥が入ったバケツを持った男が玄関先に立っていたりするのでほんと怖い。



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