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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第六章 滅亡、そして……
第68話 種の保存
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り始める。
いつもと同じスピードのはずなのに、やたらスローモーションに見える。
早く閉まってくれ。
先頭の兵士が剣を槍のように構え、閉まる扉の隙間めがけて突進してくる。
タイミングは、ギリギリだ……。
と思ったら、ぼくの右の肩当ての上に重さを感じ、その直後に人間の兵士が後ろに吹き飛んだ。
ルーカスがぼくの肩に肘を置き氷球を放ったようだ。
無事、扉が閉まった。
「ふぅ。助かったぞマコトよ、ありがとう。お前のほうは大丈夫か?」
「マコトっ、大丈夫?」
「うん。ヨロイで弾いたみたい。平気」
「そうか、よかった。私はマコトの治療院に行く前に階段を破壊して瓦礫で埋めてから来た。その後であの連中が来たのだな……。
魔王城一番乗りを果たしたはいいものの、昇降機の使い方がわからず、ひとまず隠れて魔族が来るのを待っていた――そんなところか」
「使い方を知っても動かせないのにね」
「ふふ、そう言われればそうだな」
魔力を持たない人間は、使い方を知ったところでどうしようもない。
「よし。では動かすぞ」
昇降機が動き始める。
当然ではあるが、勇者は今まで魔王城に入ったことがなかったため、この昇降機も初体験となる。
角に立っている彼女は、加速が付きだすと布を外し、頭をキョロキョロさせた。
やはり少し驚いたようだ。
ちなみに、ぼくも驚いた。
加速の瞬間、ほんの少しだけ内臓が突き上げられるような感覚があったからだ。
動いた方向は、上ではない。
「ルーカス。この昇降機、下に向かってるよね?」
「ああ、地下へ行く」
「……地下なんてあったんだ」
「ふふ。お前も初めてだったな。地下階の一番下まで行くぞ。ここからだとかなり深いように感じるが、ちょうど海面と同じ高さくらいだ」
王都は地図で見ると海に近いが、標高はそこそこあったようだ。
もっとも、日本でも台地や山が海に迫っているところは結構あるので、別に驚いたというわけではないが。
昇降機はかなりゆっくりと動いている。
到着を待っていたら、なぜか突然一つ、忘れていたことが頭の中に出てきたので、彼に言ってみることにした。
「ねえルーカス。一つ、思い出したことがあるんだ」
「なんだ?」
「この王都の名前『ミッドガルド』だけどさ。ぼくの世界では、意味は『人間の住む地』なんだよね……」
唐突な話題だったと思うが、驚かれることはなかった。
「ふふふ。この世界でも人間の国ではそれに近い意味のはずだが?」
彼はいつもどおりニヤっと笑ってそう答えると、勇者のほうを見る。
彼女は黙って頷くことで答えた。
「やっぱり名前を付けたのはルーカスのご先祖様?」
「まあ、そ
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