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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第六章 滅亡、そして……
第65話 人間、王都へ
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いることだろう……と思っていたのだが、全くそんなこともなく、以前とほとんど変わらない状態だった。
本人は何も言っていなかったが、恐らくメイド長のシルビアが来て掃除をしてくれていたのだろうと思う。
久しぶりにひらいた治療院は、さすがに満員とまではいかなかった。
だが、来院した患者さんは懐かしい顔ばかりで、嬉しかった。
***
人間の軍が接近。まもなく攻め込んでくる――。
その知らせが来たのは、王都に戻ってきて四日目の朝、治療院で弟子たちと朝の準備をしていたときのことである。
ぼくはすぐに開院取りやめを決め、弟子たちを魔王城やそれぞれの家族の元に帰した。
皆、当局の指示に従って避難する予定だ。
民間人については、成人で魔法が得意な者は軍に協力して戦うが、そうでない者たちは魔王城への避難が推奨されている。
そして、ぼくも戦えない民間人の一人ではあるが……治療院に残ることにした。
やはり最後はここがいい。
結局、再開してから二日間しか治療院をまともに開くことができなかった。
だが、それでもまたここで診療することができたのはよかったと思う。
これはもう何度も思っていることだが、こちらの世界に来て十分に望みは叶った。
特に思い残すことはない。
ぼくは誰もいない施術室で一つ大きく伸びをした。
ヨロイと武器は、一応ここに持ってきてある。
……うーん、どうしよう。
少し迷ったが、とりあえず装備は着けておくことにした。
開業当初はベッドを十台置いていたが、今は十四台。
七台を二列に並べている。
その間の通路でゆっくりと黒いパーツを着けていくと、遠くから火魔法と思われる爆音や、建物が壊れる音などが耳に入ってきた。
すでに人間の軍の攻撃が開始されているようだ。
――いよいよか。
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