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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第五章 滅びゆく魔国
第57話 人間側の工夫
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あるが。
そうなると衛生上の問題が発生し、疫病の蔓延が危ぶまれるので、そこまでの規制はしていないとのこと。
組織の損傷がない病気については治癒魔法では治らない。魔族は怪我よりも病気のほうが怖いのだ。
現在、力攻めはひとまず止み、定間隔の投石のみの攻撃となっている。
投石櫓は六基中、三基のみが稼働しているようだ。
石の調達が間に合わなくなってきたか。
ここの臨時施術所もガラガラで落ち着いている。
「おいマコト」
視線を向けると、やや赤みのある髪の女性。
魔王である。
何だかんだでここに毎日様子を見に来ている。
「魔王様お疲れ様です。お、今日もちゃんと装備着けてますね」
「お前がうるさいからだろ……で、どうなんだ? 大丈夫なのか?」
「はい、弟子たちは交代制にして睡眠時間を確保するようにはしてます」
「いやお前がだよ」
「ん?」
「夜ずっと起きてるとか聞いたぞ」
「まだ大丈夫ですよ。たまに仮眠挟んでますから」
「戦いは長くなるだろ。ちゃんと交代制の中に入って寝たほうがいいぞ? 緊急事態になったら起こしてもらうようにすればいいわけだしな」
視界に入っていたカルラや他の弟子たちがこちらを向いて頭を上下に動かしている。
「んー……じゃあそうしますかね」
「そうしとけ。そんなに飛ばしてると持たないぞ」
「ありがとうございます。また柄にもなく優――」
「死ねええ!」
「うわあっ」
「おお、これは魔王様。お疲れさまでございます。カルラ様もごきげんうるわしゅう」
「宰相か。お疲れ」
「おつかれー」
今度は階段から宰相アルノー・ディートリヒが現れた。
彼も装備を着けている。従者がかなり口酸っぱく言ってくれているようだ。
「なんかあなたも毎日ここに来てますよね……」
「フン、仕事もきちんとしておるぞ? お前の主人に全面的に協力してやっておる。投石の被害で民が動揺せぬのは私が抑えているおかげだ。感謝せい」
「それは助かります」
「水の調達にしても私自ら得意の水魔法で手伝っておるのだぞ? まったく……なぜ私がそのようなことまでせねばならぬのだか」
「アルノーがんばってー」
「それはもう、喜んで頑張らせて頂きますカルラ様」
……。
「魔法、得意なんですか? 使ってるところ見たことないですけど」
「得意に決まっておろう。私は魔法学校の校長だったこともあるのだぞ。見ておれ」
「あー今やらなくていいですから。水浸しになりますので」
本当にやりそうだったので慌てて止めた。
「おお、これは魔王様、宰相様。お疲れさまでございます」
今度はルーカスだ。
魔王と宰相が挨拶を返す。
なぜかここはこんな感じ
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