暁 〜小説投稿サイト〜
【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第五章 滅びゆく魔国
第56話 新手
[2/3]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
るほど思考も浅層で止まるということか」
「あのねぇ……そうやって口だけでその地位まで上り詰めたんですか?」
「宰相は最強の国民だと言ったはずだぞ? 実力に決まっておる」
「最強だか最凶だか西京漬だか知りませんけどね、ここはほぼ最前線ですよ? 常識的に考えて宰相がいるべきところじゃないでしょうに」
「ククク、そのようなことは戦の経験が豊富な私たちが言うことだ。お前が言ったところで滑稽でしかない」
「いやそんな自慢されても困るし。ぼくの国は憲法で戦争禁止の国だったんで経験ないのは当たり前なんです」
「ケンポー? なんだそれは」
「国のあり方を決める一番基本となる法です。それがあると代表者が変わっても国はブレないんです。知らないとは遅れてますね」
「フン、どうせ人間が作ったモノであろう? ろくなものではないはずだ」
「ねー二人ともなんでけんかしてるのー?」
むむむ。カルラから突っ込まれてしまった。
弟子に見苦しいものを見せてしまったか。一度収めよう。
「で、結局何の用だったんですか?」
「クックック、お前ら人間の敗走が愉快という話に決まっておろう」
「……」
うっざ。
「見つけた。やはりこちらにいらっしゃいましたか」
お?
階段から現れたのは、宰相よりもかなり若いが、落ち着いた雰囲気の男だった。
リンブルク防衛戦でも臨時施術所まで宰相を連れ戻しに来た従者である。
「宰相様。鎧も着けずこちらにいらっしゃるのは危険です。一度戻ってください」
ほら見なさい。
「お前はこの人間と言っていることが同じだぞ。無礼な」
「人間が我々に物申すというのはある意味貴重でもあります。普段は何も言わずに斬ってくるわけですから」
「むむむ……」
「斬られなくて幸いでしたね」
「……お前、左遷先はどこがいい?」
「左遷先になりそうな土地はもう全部人間に取られましたが何か?」
従者は怯まない。
「ん? なんだ宰相も来てたのか」
今度は階段から魔王も現れた。
何なんだ。次から次へと。
しかも魔王も防具を着けていない。
前回の戦で何が起きたのかもう忘れたのだろうか……頼むから学習してくれ。
「魔王様、防具を着けてから出直してきてください」
「なんだと。私は魔――」
「い・い・か・ら・着・け・て・く・だ・さ・い」
***
やはり今回も人間側は投石用の櫓を組み始めた。
また前回と同じく、六基用意しているようだ。
説明に来たルーカスの話では、この辺りは石材の調達がリンブルクほど容易ではないとのこと。
そのため、六基フル稼働体制ではそんなに長い時間射撃し続けることはできないのでは? という見立
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ