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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第四章 魔族の秘密
第50話 お風呂
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る。

 その他の頭痛については、まだフィン少年には難しすぎるため、基礎を勉強してからあらためて教えるということにした。

 ただ、例は少ないが脳出血など恐ろしい病気が原因での頭痛もありうる。
 そのため、のたうちまわるような激しい頭痛の場合は、まず治癒魔法を試したのかどうか確認する必要がある、ということだけは付け加えておいた。

「ありがとうございますお師匠さま!」
「うん。これから勉強頑張っていこうね」
「ふふふ、熱心な弟子が増えてよかったな」

 熱心すぎてぼくのほうがついていけてません。

「じゃあ早速やらせてください!」
「え? あ、いやそれはまだ――アイタタ!」
「あれ? 押す場所がちょっと違いましたか?」
「イデエエエ!」

 ち、違うんです。
 アナタ、力が強すぎるんです……死ぬ……。

 ――マコト〜。

 む?
 男湯と女湯を分けている仕切りの向こう側から、魔王の声が。

「はいー。聞こえてますよ」

 ――脱衣所に横になれる台を用意させたんで、よろしくな。

「は?」

 ――私が最初にマッサージを受けるが、リンドビオル卿のメイドやカルラにも頼むぞ。

「あのー。帰ったばかりなのでちょっと体力がもつかどうか」

 ――あァ?

「いや何でもないっす」

 嫌なわけではないが、今の体力だと施術のパフォーマンスが落ちそうだ。
ー気力でカバーするしかない。

「ふむ、では私も久々に頼もうかな」
「私もお師匠さまの施術を見学させていただきます!」

 ……。



 ***



 施術も無事に終了し、魔王たちとは帰りの途中で別れた。
 フィン少年も家に帰った。

 ルーカス邸に戻ったぼくは、四畳半の部屋で布団にバタン……である。
 さすがに疲労が限界だった。

「ふふふ。お疲れさん」

 部屋の入口、閉めるのを忘れてしまっていたようだ。
 通りかかったルーカスが立ち止まり、そう声をかけてきた。

「やはりお前がいたほうが魔王様は明るくなるな」
「そうなの? まあ、暗くなるよりはいいと思うけど」
「ふふふふ、そうだな。種族の長だからな。暗いのはまずい」

「あ。そうだルーカス」
「む? どうした?」
「これ、おみやげ」

 ちょうどよいタイミングで思い出した。
 ぼくは起き上がると、袋から本を取り出してルーカスに差し出した。

 彼は勉強熱心だ。人間の国で出回っている歴史書はすべて入手し読んでいる。
 なので、歴史書を除く三冊、『ロードス鳥戦記』、『超合体体術ロボギンガイザー』、『気功界ガリアン』を渡した。

「これは……もしや?」
「うん。イステールで牢屋に入ったときにもらったやつ。三
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