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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第四章 魔族の秘密
第49話 帰ってきた
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魔国の王都、ミッドガルド。
その中心部には、一件だけ異質な家が存在する。
目の前の、日本家屋にしか見えない木造の家。
早朝の若い光を浴びて輝く、その家。
ルーカスの邸宅だ。
相変わらずの、キレイに手入れをされた庭園。
そこで庭木に水をあげている、メイド姿の若い女性。
彼女――メイド長シルビアは、ぼくの姿を確認すると、一瞬だけ固まった。
そして、駆け足でぼくのもとへと飛んできた。
「マコト様、お帰りなさいませ……よくぞご無事で……」
「ただいまです、メイド長さん。ご心配をおかけしました」
ぼくは兜を外し、挨拶をした。
また駆け足で、裏庭のほうへ消えていくメイド長。
連れてきたのはもちろん……。
「おお!」
金髪長身の美男子、ルーカスである。
「ただいま。ルーカス……ってうわっ」
抱き付かれてしまった。
こういうの、この人のキャラではないと思うのだが。
「マコトにまことか……」
「うん。まことのマコトだよ」
「心配したぞ。よくぞ生きて帰ってきた」
「ごめんよ……って、ぼくもヨロイもキレイじゃないので抱きつかないほうがいいかも」
「ふふふ。わたしの奴隷や作品が綺麗でないわけがない。常に世界一美しいはずだ」
「ウフフフ。そうですわ。謙遜が過ぎますわよマコト様」
「いやそういう意味じゃなくて」
よかった。すぐに以前の調子に戻った。
この両名のテンションも、懐かしく感じてしまう。
「しかしさすがわが奴隷、帰巣本能も完璧だな」
「さすがですわ」
「帰巣本能って、動物じゃあるまいし。帰れたのはこの子のおかげだよ。行倒れになりそうなところを助けてくれたんだ」
ぼくの後ろにいたフィンが横に出て挨拶をする。
「おお、あの時の少年か。でかしたぞ」
「でかしましたわよ」
「はい! お役に立ててうれしいです」
玄関の引き戸がひらく音がした。
「マコトかっ」
「あ、マコトー」
魔王とカルラ。
声が中まで聞こえたのだろう。戸も閉めずに駆け寄ってくる。
「お二方とも、ご心配をおかけしてすみま――うわっ」
目の前に来てもまったく減速しなかった。
ものすごい勢いで抱き付かれてしまった。
「マコト、遅いぞ……待ちくたびれた……」
「マコトー、マコト―」
「やっぱり待ってくれちゃってたんですね」
「当たり前だ」
「ちりょう院やりながら待ってたよー」
「ふふふ、きっと魔国中が待っていたぞ。マコトよ」
「ありがとうございます。嬉しいです」
待っていてもらえる――それはやはり幸せだ。
施術者としても、一人の人間としても。
新宿駅の転送屋のお婆さん、感謝し
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