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【WEB版】マッサージ師、魔界へ - 滅びゆく魔族へほんわかモミモミ -
第四章 魔族の秘密
第47話 弟子
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「……」

 やはり追手だった。
 ぼくは返事をしていないが、馬を降りて近づいてくる。
 二人とも革の鎧を着け、腰には剣。割とまだ若そうで体格もいい。

「フハハ。安心しろ。捕まえたりはせん」
「え? 捕まえない?」

 男は「ああ、そうだ」と言ってニヤリと笑った。

「見つけ次第すぐ殺せと言われているからなッ」

 男は剣を抜いて襲い掛かってきた。

「っ」

 右手の小手で防いだが、腕ごと叩き落されるかと思うくらい凄い衝撃だった。

 もう一人の男も襲い掛かってくる。
 ええと、左手で……間に合わない。今度は肩の辺りに強い衝撃。
 ほとんど隙間がないヨロイがしっかりガードしてくれてはいるが、肩から指先までしびれで力が入らなくなった。

「鎧が邪魔だな」
「うあっ」

 さらに間合いを詰めてきた男に前蹴りで飛ばされ、転ばされた。
 寝かせてゆっくり料理するつもりだ。まずい。

「そこまでです!」

 突然のその声に、二人が視線をこちらから外す。
 ぼくはその隙に転がるように遠ざかり、立ち上がった。

 声の主は、ぼくの後方にいた。
 フードを深くかぶった背の低い人。
 目がはっきり見えないため、人間と魔族どちらなのかはわからない。
 だが、声から判断するに少年だということはわかった。

 少年は二人の人間のほうを向いていた。
 どうやらぼくの敵ではないということは確定したようだ。

「誰だ? お前は」
「私は、そのお方の弟子です!」

 少年はそう言うと、フードを取った。
 顔が露わになる。目が赤黒い……魔族だ。
 黒髪で丸顔のその顔は、まだ十代前半に見えた。

「お師匠さま。ここは私にお任せください」

 ……え。誰?
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