154部分:第二十話 力と正義その二
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第二十話 力と正義その二
「貴様を倒せば聖闘士の力は落ちる」
「だからこそ。ここでな」
「先にあのハルパスも言っていたが」
「バド様が?」
「何とだ」
「このシュラを倒すと」
このことを彼等に対しても告げたのだった。
「そう言っていた」
「バド様を退けたのは見事だ」
「だが。バド様のその御無念晴らしてやろう」
言いながらさらに前に出るインプ達だった。その声も小宇宙も殺気に満ちていたものだった。その小宇宙から彼等もまた狂闘士であることがわかる。
「では。行くぞ」
「苦しませることはない。ただ血を流させるだけだ」
「それだけだ」
「そうか」
シュラは彼等の言葉を受けたうえで気配を確かなものにさせた。それはまるで剣を鞘から抜いたようなものだった。
「シュラ様の小宇宙が」
「高まったか」
聖闘士達もそれを感じ取った。シュラはその彼等に対して言ってきた。
「御前達は今は動くことはない」
「!?シュラ様」
「それでは」
「そうだ。この場も任せてもらう」
こう彼等に対して告げたのだった。
「このシュラにな。俺に戦いを挑んできたのだからな」
「そうですね。それでは」
「我等は今は」
「それでいいな」
インプ達自身に対して問うた。
「貴様等の相手はこのシュラ一人だ」
「ふん、大きく出たものだ」
「確かに我等は雑兵だ」
彼等もそれは自覚しているのだった。狂闘士の世界は聖闘士のそれよりも上下関係が厳しく雑兵はとりわけその立場に置かれているからだ。だからこそだった。
「しかし。それでもだ」
「我等を侮るな」
今まさに攻撃を仕掛けんとする。その時に彼等の中の一人がシュラに言ってきた。
「カプリコーン、貴様の技はわかっている」
「それは既にな」
「わかっているというのか」
「そうだ」
このインプは強がりを多分に含み顔に汗を流しながらもそれでも彼に言ってきた。
「貴様の技はエクスカリバーだな」
「如何にも」
「手刀から発される」
このことはもう彼等も知っているのだった。
「それはな。既にな」
「だからどうしたというのだ?」
「手刀で発せられるならばその攻撃範囲は限られている」
「!?そうか」
「そうだな」
これまで黄金聖闘士とあって幾分怯むところが流石にあったインプ達も同僚のこの言葉を聞いてそれがかなり楽になった。
「手刀ならばその範囲は限られている」
「キャンサーのようにはいかん」
「そうだ、その通りだ」
「ならば」
まさに集団心理だった。彼等はその動きを大胆なものにさせてきていた。
「我等も攻撃の合間をつけば」
「それこの男を倒せる」
「間違いない」
「そう考えるのか」
シュラはその大胆に前に出だした彼等を見ても冷静なままでありま
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